配信

第1話 初配信

 Yourtube開いてっと、待機が……100人!?は?バグ?て、ちょうどあそこのスレ民くらいじゃんwww秒で謎解けたわ。いやでもめちゃくちゃありがたいわぁ~


 リスナーがスレ民ってわかって心に余裕ができたところで、始めますか!


「皆さん、今日はお越しくださりありがとうございます。どうも、多声類ロリっ子セルフ受肉歌い手VTuberの水瀬 唯です!今日はどうか最後までよろしくお願いします!」


[スレから来たで~]

[上に同じく]

[上に同じく]

[何か属性増えとらんかった?]

[セルフ受肉とか言っとったな]

[流石に嘘やろ]

[属性もりもりで草www]

[草に草生やすな]



「はいはいはい、まぁ皆さんの言いたいことは分かります。なのでこれから説明していきますね。今回の配信の流れを。」


[分かっとらんやろがい]

[いや草]

[何をどう理解したらそうなるんwww]


「えぇ、今日はshortより詳しめの自己紹介、質問コーナー、ファンネーム&タグ決め、歌枠の4部構成となってます。歌枠で歌う曲は私のVTuber活動の順調な滑り出しに大いに貢献してくださった某スレ民の方々に事前にお聞きした中から選ばせていただきました!」


[あれガチやったんか!]

[wktk]

[どれが選ばれたんやろ]

[鬼ノ宴希望]

[もう結果はかわらんで]

[アンコール的なアレで歌ってくれるかもしれんやん]

[いや草]


「まずは自己紹介から。私は2023年4月2日生まれの1歳児です。先日誕生日があってその誕生日プレゼントとして今配信に使ってるPCを買ってもらった感じですね。好きな食べ物は甘い物とうどんです!うどんは女子力を上げると本で読んだので!特技は歌とイラストといろんな声を出すこととかですかね。それ以外はおいおい披露していきたいなって思ってます。大事な大事な私の手札なので一度に全部開示しちゃったらつまらないじゃないですか。」


[焦らすなぁ~]

[これ1歳児とか関係なく普通にすごくねwww]

[そういえば待機画面のアニメーションって誰作なの?]

[待機BGMと配信BGMさぁ、何か聞いた事ないの流れてるよな]

[おっと~これは?]


「ふふっ……さて、私の目標なんですけど。これはYの方でも公言していた通り、ハイスペックなVTuberになることです。子供の頃に、まぁ今も子供なんですけど。見たトップのVTuberがvirtualとか関係なしにそれぞれの分野で活躍してるのを見て憧れて今に至るわけなんです。だから私は最前線で輝く彼ら彼女らを目指します!」


[子供の頃ってwww]

[1歳児が何か言っとるぞ]

[知名度こそまだないもののスペックでもう既に言えばかなり上やろ]


「えぇ~っとですねぇ。いろいろ考えたんですが、これ以上の情報の開示は私の手札が減っちゃうので質問コーナーはまたの機会にして次のファンネームとファンアートタグ、配信タグを決めていきまーす。まずはファンネーム!」


[お兄ちゃん又はお姉ちゃんで!]

[欲望に素直で草]

[真っ先に欲望のままに言ってるのはウケるけどこれを超えるのムズくね?]

[それな、これで良くね]

[異義なーし]


「君ら決めるの早いなぁwwwじゃあ改めてよろしくね!お兄ちゃんお姉ちゃん!」



"しーーーーーーーん"



「私は知ってるんだよ、こういうのは時間が解決してくれるってね!というわけで次行こう。それじゃ次の配信タグ!」


[無難に唯ちゃん放送中とか?]

[う~ん……唯ラジオ]

[これだっていうのが思いつかんなぁ]

[スレ民の底力を今こそ見せつけるんや!]

[無理]

[じゃあお前が案出せや]


「唯ラジオはあんまり語呂良くないから唯ちゃん放送中に決定!あと、喧嘩しないの!次はファンアートタグだね!」


 

[ゆいアートとか?]

[無理!思いつかん!]

[ゆいらすと]

[は!]

[天才やん]

[これだァァァァ!]


「それじゃあファンアートタグはゆいらすとに決定だね!諸々決め終えたし今回のメインイベントの歌枠を始めよう!」


「よし、じゃあ音源選んで……1曲目なんだっけwwwちょっと待ってねぇ~カンペ確認するから」


[それはホント草]

[www]

[いや、おいwww]

[出鼻をくじかれた感がすごいwww]


「1曲目は可愛くてごめんですね!じゃ、じゃあ歌いまーす。」


――――――――――――――――――――――――――


「ふぅ……歌枠1発目の可愛くてごめんはどっだったでしょうか!」

 


"しーーーーん"



「みなさーん!おーい!」


[最高だったわ]

[すまんすまん最後のざまぁで新たな扉を開きそうになってその扉を閉めるのに集中しとったわ]

[性癖ブレーカー過ぎる]

[これはある意味Rものだってwww]


「なんだよ君たちさぁ~人が歌っただけなのにRものだのって!ちょっと失礼過ぎやしないかい?君らは何を見てたのさ!私はただ歌っただけなのに!私みたいな幼い子どもにそんなに意地悪するとか最低だね。よし、無視して次の鬼ノ宴歌お。」



――――――――――――――――――――――――――

 


「どうだった?」


[最高!]

[めちゃくちゃかっこよかった!]

[1歳の女の子に言う言葉として良いのかよく分からないけどかっこよかった!]

[イケメンだった!]

[可愛くてごめんからの鬼ノ宴であらゆる性癖の需要を満たしてる]


「最後の曲はかなり無茶をするのでちょっと休憩させてもらいますね。」


[えぇんやで]

[無茶って何するん?]

[そういえばスレで希望出した曲の中で無茶するとすればデビルじゃないもん1人で、とか?]

[おいおいwww]

[それはえぐすぎん?www]



「休憩終了!さ~てデビルじゃないもん歌いますか~」



[草]

[ガチだったwww]

[終わったあと酸欠の確定演出で草]


――――――――――――――――――――――――――


「_:( _* ́ཫ`):_ハァハァハァど、どうだった?」



[想像の倍やばいことしててちょっと引いたわ]

[何か4種類声あったんだけどwww]

[えぐすぎて引くってwww]

[4種類の声を交代で出しながら2分44秒歌いきってるんですかねぇこの1歳児……]

[割とガチで歴史的瞬間に立ち会ってるよ俺ら]

[これは伸びるな、間違いない。]


「私がもう限界なのでこのまま締めさせていただきます。次の配信は予定が決まり次第Yにて告知をさせていただきますので是非遊びに来てください!この配信が良いなあ、面白かったなぁって思った方は好評価とチャンネル登録の方よろしくお願いします。最後までご視聴いただきありがとうございました。以上、水瀬 唯でした。」


_:( _* ́ཫ`):_もう無理寝る。改善点探すのは明日でいいや、おやすみなさい。


「いってぇぇぇぇ!身体が……身体がァァァ!もう最悪。配信終わったあとそのまま机に突っ伏して寝るんじゃなかった。振り絞った最後の力の使い道をキーボードをどかすことじゃなくてベッドまで行くことに使えば良かった……」


 まぁそんなことを考える余裕があったのかと聞かれればなかったと答えるしかないんですけれども。緊張による精神的疲労と歌ったことによる肉体的疲労のダブルパンチで瀕死だったからまぁしゃーなしか。


 初配信は今の私に出来ることを出し切れたし後悔はないし満足してる。問題は登録者数と再生数と好評価数だ。後悔はないし満足もしてるけどそれとこれとは別!


 私も配信者である以上数字が大事なんよ。収益化にも関わってくるしね。機材とかの追加購入のためにお金も必要だしね。おじいちゃんおばあちゃんばかりに頼ってられないからさ。


 というわけで初配信の反響は……っと。


 まずは登録者!752人!あれ?配信にそんないた?まぁ配信後一晩空いてるからね。


 次の最大同接数は320人ヤッターこれで勝つる!こんなにいたんだ!コメントしてないけど見てた人が大多数だったのか。コメントって勇気いるしね。私だけじゃないよね?


 再生回数は3542……しゃおらー!あ、やべ叫びすぎた。朝っぱらから叫んだらめっちゃ近所迷惑じゃん。まだ寝ていた近隣住民の皆さん、すいませんでした。


 もうここまできたら好評価も期待出来ちゃうなぁ~ちょっと奥さーん好評価674ですって!あらヤダ~。


 テンション上がりすぎて情緒とキャラが不安定に……(〃´o`)フゥ…お見苦しいところをお見せしました。


 いや~大・満・足!!今夜は宴だァ~!お金ないから気持ちだけだけど……悲し


 さんざん騒いだからお腹空いたなぁ~朝ごはん食べにいこ。


「おばあちゃんおはよ~」


『結衣おはよう。昨日はお疲れ様。』


「( '-' )スゥゥゥ⤴︎︎︎な、なんのこと?」


『ふふっそうだったわね。なんでもないわ。ご飯出来てるから先に食べちゃいなさい。おじいちゃんは私が起こしてくるから。』


「うん」

 

――――――――――――――――――――――――――


『おじいちゃん、早く起きて!』


《ふぁ~なんだ今日は結衣じゃないのか。》


『なんだとは何よ!私一応あなたの妻なのよ!』


《すまんすまん。で、今日わざわざ結衣の代わりにわしを起こしに来たんだ。何か用事があるんだろ?》


『今晩は外食にしようと思ってどこがいいか相談しようと思ってね。』


《結衣に直接きけばいいだろ?》


『ほら、配信のことは知らないフリをして欲しいって言ってたじゃない?だから聞けないのよ。』


《あぁそういえばそうだったな。回転寿司でいいんじゃないか?特別感あるし結衣の好きなうどんもスイーツもある。回転寿司のうどんは出汁が美味くてなかなか侮れんからな。》


『じゃあそうしましょうか。それじゃあさっさと下に降りて朝ごはん食べちゃいましょ。』


《あぁそうだな。すぐ行くよ。》


――――――――――――――――――――――――――


「ごちそうさまでした。」


『あら、結衣はちょうど食べ終わったところなのね。お粗末さまでした。今晩は回転寿司に行くわよ!おじいちゃんがお寿司を食べたい気分みたいだからね。』


 私のために……理由は強引だしおじいちゃんが理由の生贄にされてるけど。でも、やっぱりこうやって自分のためにお祝いしてくれる人がいるっていうのは嬉しいな。


「外食!私、めちゃくちゃ楽しみだよ、おばあちゃん!」

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