第7話 配信間近

「ふわぁ~おばあちゃんおはよう~」


『結衣おはよ。ご飯できてるからね。』

 

「あれ?おじいちゃんは?」


『おじいちゃんはまだ寝てるよ。』


「じゃあ私おじいちゃん起こしてくるね!」


――――――――――――――――――――――――――

"ガチャッ"


「おじいちゃん起きて!」


《ん?あぁ結衣かおはよ。》


「結衣か、じゃないよ!早く起きて!ご飯食べるよ!」


《わかったわかった。今行くから結衣は先に下に行っとってくれ。》


「うん!それじゃ下でね。」


 私はいつも通り話せているだろうか。初配信の緊張をおじいちゃんおばあちゃんに見せていないだろうか。私は初配信のことをおじいちゃんおばあちゃんには話していない。


 だって恥ずかしいじやないか。自分が普段と違う見た目で普段と違う口調、テンションで話しているのを家族に見られるのは。機材を買ってもらった以上配信を見せるのが筋であるのは分かってはいるものの恥ずかしくて言えていない。


 無論、聞かれたら答えるつもりではある。けど自分からそのことを告げる勇気が出ない。それに……私きっかけでVTuberに沼ったらと思うとちょっと怖い。おじいちゃんおばあちゃんが推しについて話してるのを見るのはちょっと私的にはしんどいのだ。


「いただきま~す。」


《いただきます。》


『はい、いただきます。』


『そういえばVTuberっていうのになりたいって前言ってたけど準備は順調?』


「うん!もちろんだよ!」


《困ったらおじいちゃんに相談するんだぞ!わしも力になりたくて最近VTuberについて勉強しててな、調べていく中で若い人を中心に人気だってわかった時は絵が動いてるだけなのに何でこんなに人気なのかと疑問に思った。だが違ったんじゃ。》


 おいおいおい!嘘だろ?おじいちゃんVTuberに沼った?さっきまで考えてたのフラグだったん?やめてくれ!!その先を言わないでくれ!


《絵が動いているっていうのはVTuberの本質じゃなかったんじゃな。VTuberにとってガワは確かに重要な要素じゃ。じゃがそれだけでは人気なんて出ない。1番重要なのは演者、所謂中の人だったんじゃ。》


 やめろ……やめてくれ!やめろよォォォォ!!


《彼ら彼女らの笑顔。そして時より見せるあざとい仕草。卓越したトークスキル、歌声、ゲームスキル、リアクション。それがあるからこそVTuberというものは人を惹きつけ続けているのだと知ったんじゃよ。》


あ゙ァァァァァァァァァ(´°̥ω°̥`)


《かく言うわしも推しができて……》


『おじいちゃん、その話はこれくらいにしましょ?』


(〃´o`)フゥ…


《あぁそうじゃったそうじゃった。本題なんじゃが、結衣と似た声のVTuberを見つけんじゃよ。》


(’ω’)ファッ!!?


(ºωº;≡;ºωº )


 身バレRTA新記録過ぎるのでは!?私まだデビュー前だぞ!?ま、まぁ母数が多いわけだし似たような声の1人や2人くらいいるかもだし?わ、私じゃないかもだし?大丈夫……大丈夫……まだ慌てる時間じゃ……


《この水瀬 唯ってVTuberなんじゃが……》


あ゙ァァァァァァァァァァァァァァァ!!は~い、身バレ確定で~す!


( '-' )スゥゥゥ↑(。´-д-)ハァ-↓


「それ、私だわ。見られてると思うとめっちゃ恥ずかしいから見なかったことにしてそっとして置いてくれると助かる。」


『わかったわ、この話はここで終わりにしましょうか。ほら、おじいちゃんも!』


《うむ……わかった。それで初配信なんじゃg……》


"ペシンッ"


 あ、履いてたスリッパでぶっ叩いた。


『あんた馬鹿じゃないの?』


《ばあちゃん、すまん。》


『謝る相手が違うでしょ!』


《結衣、すまん。》


「大丈夫大丈夫、それよりこのきんぴらごぼうピリ辛うまで美味しいね!」


『そりゃそうよ、我が家の秘伝のレシピだからね!』


「大きくなったら教えてね!具体的には私がキッチンに届くようになったら……」


『もちろんよ!』


「ありがと。ご馳走様~」


『お粗末さまでした。』




「初配信の準備は終わってるからあとは私自身のコンディションを整えないとね。まずは日課のストレッチ!」



「うん、今日もいい感じ!次は……何しよう。地下室でちょっと歌ってくるか。やり過ぎて喉を疲れさせたら本末転倒だから軽くね軽く。」


――――――――――――――――――――――――――


 よし、完璧だね!暇だし私のスレでも覗くか。


 地味に次スレに移動してんのウケるwwwえ~っと水瀬 唯#agmdjで「皆さんに私の話題をスレ内で取り上げていただいたおかげで私のVTuber活動は順調に滑り出すことが出来ました。本当にありがとうございます。今後も応援していだけると嬉しいです。初配信で歌枠もする予定なので希望の曲があれば教えてください。それでは配信でお会いしましょう。」これでよし。投稿っと……



【ロリ】水瀬 唯応援スレPart2【VTuber】


1:名無しのロリコン

ID:jgMmgmdTt245

※テンプレ

 本スレは個人VTuber新人発掘スレです。新人VTuber以外の話題は極力控えてください。また、アンチや荒らしが来た場合は言い返したりはせずに無言で通報ボタンを押しましょう。煽ったりはしないでください。


 次スレは800を踏んだ人が立ててください。もし立て方が分からなければその旨をスレにて伝えましょう。その場合は他の人がスレ立てを宣言してください。


2:名無しのロリコン

ID: pJjpgTukaW944

1<<

ナイス~


3:名無しのロリコン

ID:jgtJjtpmWjm275

1<<スレ立て乙


 

―――――――――――――――――――――――――

 

48:水瀬 唯#Fmg3tjP4

皆さんに私の話題をスレ内で取り上げていただいたおかげで私のVTuber活動は順調に滑り出すことが出来ました。本当にありがとうございます。今後も応援していだけると嬉しいです。初配信で歌枠もする予定なので希望の曲があれば教えてください。それでは配信でお会いしましょう。


49:名無しのロリコン

ID:jgtJjtpmWjm275

48<<

は?え?流石になりすましよな?


49:名無しのロリコン

ID:dgJjgmGmgm876

48<<

仮にも1歳設定のVTuberがこんな魔窟に来るか?いや来ない。


50:名無しのロリコン

ID:ogMyggmMw175

49<<

急な反語で草www

でもまぁ言うだけタダやし、試しに言ってみね?

言っとけば答え合わせが配信で出来るわけやん?


51:名無しのロリコン

ID:ngMjpmpMwm646

50<<

天才か!んじゃ俺鬼ノ宴とロキ~


52:名無しのロリコン

ID:xMMmpMmga275

俺はベノムと神っぽいな


53:名無しのロリコン

ID:mpMammpWy343

わいはデビルじゃないもんと可愛くてごめんが聞きたいわ


54:名無しのロリコン

ID:jgJjjpQddnbctp327

53<<

本来2人で歌う曲を配信で1人で歌わせるとか鬼畜で草www


55:名無しのロリコン

ID: jgtJjtpmWjm275

53<<

それなwww

――――――――――――――――――――――――――――

さて、どの曲にしようかなぁ~とりあえずデビルじゃないもんは私の声のバリエーションをアピールするのに欠かせないから確定として……よし、鬼ノ宴も可愛くてごめんにするか。


 可愛くてごめんからの鬼ノ宴でギャップを演出して最後デビルじゃないもんで締める感じにしようかな。緊張するけど楽しみだなぁ~初配信。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る