第5話

「どうしたの、その傷と痣だらけの

顔」

スタバで日曜日、紘一がミハルにたずねた。

「うん、なんでもないのよ。紘一くんは

心配しないで」

「でも」

「ちょっと、男の人とトラブルになっただけ。

慣れっこなのよ、わたし」

「慣れっこって言ったって」

紘一が呆れたような顔をして

ミハルの頬をやさしくさすった。

「紘一さん」

「なに」

「やさしいのね」

「いや」

「でもその優しさが辛いの」

「紘一さん、サヨナラ」

ミハルが帰って行った。

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