第4話

「ミハル、ここで土下座しなさい」

土曜日の夜、宿直から帰って来た

貴一がミハルをリビングで土下座させた。

「ドっ、どうしたんですか、アナタ」

ビシーっ!

貴一の強烈な

ビンタがミハルの頬を張り飛ばした。

血を吹き転がるミハル。

「ごっ、ごめんなさーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーい」

泣いて謝るミハル。

しかし貴一は容赦しない。

「オマエ、オレに何か隠し事をしてるだろう?」

貴一がミハルの血だらけの髪を握って

思いきり揺さぶった。

「隠し事なんかしてませーーーーーーーーーーーーーーーーーん」

「ウソつけーーーーーーーーーーーーーーっ」

貴一の顔面キックがミハルの顎を捉えた。

吹っ飛ぶミハル。

「ああああああああああああああーーーーーーーーーーーーーーーーーっ

ミハルの呻き声。

「まあ、いいだろう、いずれ口を割らせてやるからな」

貴一が自分の部屋に戻って行った。

「紘一さん」

ミハルは知らず知らずのうちに

紘一の名を呼んでいた。

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