第3話

「辛島さん」

ミハルの胸がときめいた。

貴一といるときには経験したことないような

ときめきだった。

 スタバで日曜日にコンビニで出会った

辛島紘一と堕ち合い、ミハルは

始めて恋する悦びを知った

ような気がした。

「ミハルさん、待った?」

紘一がミハルの向かいに座った。

「うっ、ううん。全然。一秒も

待ってないよ」

「クスッ。本当にミハルさんって

おかしい人だね」

「あら、それほめことば?」

「もちろん」

二人が笑った。

「ミハルさん結婚してるの?」

紘一にそう言われて、ミハルは

心臓が止まるかと思った。

「うっ、ううん、独身よ」

ミハルはウソを吐くのが極度に苦手だった。

だから紘一にウソをついたことを見破られはしないかと

凄くドキドキした。

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