第5話 女性独裁者の素顔


 さて、歴史的に見ても、ヒトラーや、スターリン以上に、キチガイじみた、この女性独裁者の、素顔とは、果たしてどうなんだろう?



 こう言う疑問も、抱かれるだろう……。



 しかし、この女性独裁者の、出身大学は、まあ私立大学ではそこそこ有名であったが、超一流と言われる大学では、無かった。



 ただし、学生時代は、ヤリマンで有名であった。



 彼女の書いた小説が、某恋愛小説で、賞を取った事もあったと言う。



 で、結婚は、30歳の時に、5歳上の、何処で知り合ったか分からぬが、高級官僚と結婚。……だが、子供も出来ないうちに、わずか1年で離婚。理由は、夫の性的弱さだと言う。



 だが、この離婚が、彼女の性格を、一種の性的不満から来るヒステリー性格に変えたらしい……。



 某国会議員の私設秘書となると、メキメキ、頭角を現して来たのだ。



 国会議員、地元の県会議員らを、次々と、性的に誘惑。多額の寄付金と、応援を取り付けて、彼女が35歳の時に、国会議員に初当選。



 特に、彼女のタカ派傾向は、その頃から、有名だったが、月刊誌やネットに、



・原発の有効利用(→後の、原爆製造につながる)



・自衛隊の国軍化の宣言(→即、実施された)



・敵基地先制攻撃のみならず、敵国家の中枢機能完全破壊までの持論を展開



・核兵器の保有、及び、その先制攻撃使用の全世界への宣言



・社会保障費の確保(→後の、『80歳定命制』に繋がる)



・子供の権利の拡充(→後の、彼女の「少年少女親衛隊」の創設につながる)



 等等の、過激な論文を、次々と、発表。



 テレビでの、国会中継では、全身を震わせての、熱狂的な、質問と回答。



 この姿に、感激した国民も多いと言う。



 こう言う、曰く付きの女性議員であっただけに、敵も多いが、熱狂的なファンも徐々に増えて来たのだ。



 で、日本は、その独裁国家になるまでは、議員内閣制であって、国会で多数を占める政党から、内閣総理大臣が選ばれていた。



 さて、例の、『80歳定命制』が決まり、「タコ・ゲーム」のルールも大方、決まったある日、総務省の事務次官が、総理室にやって来た。



 彼は、次のように、提案したのだ。



「総理、「タコ・ゲーム」の悲惨な様子を、何処か一カ所の島に絞って、国営放送のNHKで全国中継しましょうよ。そうすれば、皆、「安楽死」を選んだほうが、よほど楽だと、分かるでしょうから……」



「あなたは、大学は、何処の出だ」と、」女性総理が聞く。



「勿論、東京大学法学部卒です」と、当の事務次官が自慢げに言った。



「これだから、東大出は、使いものにならんのだよ」と、女性独裁者は、言った。



「しかし、これは、「タコ・ゲーム」の実態を、全国に広める、絶好の機会だと思うのですが……」



「だから、それが必要無いと言っているんです。」



「何故なんですか?」



「フフン、その内に、分かるわよ」と、一言、言って、不気味にニヤリと笑ったのだ……。この笑いに、この後の、全ての真実が包含されていたのだが……。



当の事務次官は、不思議な感覚に襲われたのだ。

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