第5話

 人捜しなどすぐ終わる。と考えていたが、ここもここで人の地と同じ、様々あり。なかなか終わらない。

 魔法協会からくる仕事は無視して。いつまでも帰らないのは。

 朝はなぜかわからないが説教され。あの姿でなければいいのか。

 あの姿で歩いて、来た奴を片っ端から絞めれば。

 おそらく別の竜の地でも、協力者? 首謀者? 人攫ひとさらいがいるはず。

 屋根の上から、青く澄んだ空を見ていた。


「馬鹿はしていなかっただろうな」

「なんことだ」

 おけふちに両手をつき、この家のあるじを見た。

「帰ってくる途中、美人が歩いていたと。どう聞いても、お前の容姿そっくりなんだが」

「この姿に」

 ネズミの姿。

「とぼける気か。人の姿だ。今朝も言ったが」

さらわれる前になんとかする。それだけの力はある。考えなしに動いたわけじゃない」

「それでも、だ」

 白夜びゃくやは小さな頬をつねり。仕返しとばかりに湯を顔に。

「魔法をかけられていた娘の親から感謝された。大袈裟おおげさなくらい。だが、またかけられては」

「しない。かけた奴に仕返しした。解いて再びかけてこられても、はね返す護りはほどこしている。二十日は」

「過ぎれば」

「解ける。いつまでも頼られても。髪、とは限らないが取られない限り、大丈夫だろう。西竜王せいりゅうおうやその妻はそこのところ注意しているのでは。その息子の白慈はくじも」

「そう、だが」

「頼まれたら断れないのか。私は誰だろうと、はっきり、ばっさり」

「断るんだろ。西の魔女は苦労しているな。とにかく、感謝され、魔力が上手く発散できなかった子供のことも知れて」

「お前達が知らなかっただけ」

「そのことが上司の耳に入り、一から説明。純粋な竜側を調べてくれる。少し待て。そして目立つことはするな」

 純粋な竜の屋敷にも忍び込んだ。無駄に広く、一日に二軒しか調べられなかった。

「まさか、ここに出入りしている姿も」

「見られていない。見られていいのなら」

「よくない。これ以上事態をややこしくしないでくれ」

「ややこしいことになっているのか?」

「ああ。誤解が」

 白夜びゃくやはうんざりして。

「……もしかして、恋人に勘違い」

「いない」

 ぼそっと。

「ん?」

「そんな者などいないと言っているんだ。言わせるな」

 再び小さな頬をつねられ。 

 白夜びゃくやをじっと見上げる。

 赤い髪、金の瞳。精悍せいかんな顔立ち。背も高く、細すぎず太すぎず。家事もでき、真面目で。

「今のところ、人の地では大人気だな。欠点とかないのか」

「なんの話しだ」

「お腹空いた」

 また頬をつねられた。


 私は一体何をやっている。

 見た目、十歳前後の子供六人に囲まれ、魔法を教えていた。

 最初に教えた子は、あれからよく眠れ、食べ、部屋が荒れることもなく、なんともいえない気分はないと。すぐ疲れることもなく。他の子供と一緒に元気に遊んでいると。

 そして話を聞いた、似たような症状の子供達がここに。

 まず、初歩を教えていた。文句を言う子はおらず真剣。周りから色々言われているのか。

「まほうってどんなことができるんです」と質問されることも。

「大まかにけると三つ、かな」

「大まか? 三つ?」

「攻撃と治癒、防御」

「こうげき?」

「ちゆ、ぼうぎょ?」

 子供達は首を傾げ。

「治癒というのは怪我を治す魔法。きわめれば大怪我でもあとを残さず、治せる。病気は治せない。外傷だけ。防御は。おい」

 白夜びゃくやに向かい声をかける。

「なんだ」

「そこから石でも、その木剣でもいい、投げろ」

「当たるんじゃ」

「当たらない。実演だ」

 白夜は渋々、手に持っている剣を投げた。

 剣はラビアに当たることなく、離れた所で何かに弾かれたように地面に落ちる。

「お前達も近づいてくればわかる」

 恐る恐る、すぐに行動、と性格が出ている。

「あれ、ここから進めない」

「え、何もないのに」

 ラビアの周りをぺたぺた。

「これが防御、結界というもの。見える者には見える」

 子供達はむう、と目を細め。

「薄いまくみたいなのか」

 白夜びゃくやは剣を拾いに。

「そうだ。お前、見えるのか」

「この距離なら。離れれば見えない」

 子供達は結界に張り付いて見ているが、白夜はその子供達の後ろから見ている。

「随分目がいいな。それとも竜は。いや、それなら、あの父親にも」

 なんらかの形で娘を苦しめていた、まとわりついていたものが見えたはず。それが白夜には見え、あの父親には見えなかった。

「これが、ぼうぎょ?」

「ああ。これで身を護る。とはいえ、竜は体が頑丈で、傷の治りも早いと」

 聞いた。

「広くも、小さくもできる」

 結界を広げると、子供達は押され、ラビアから離れて行く。

「じゃあ、こうげきは」

 結界を解き、右人差し指をたて、

「炎よ」

 指先に十センチほどの火の球が現れる。

「これをぶつけたりする。が、まずは基礎。基礎をおろそかにすると大怪我する。こんなふうに」

 炎を破裂させる。子供達は目を丸く。

「失敗すれば自分も大怪我する。あっち、剣と同じように」

 剣や槍を振っている子供達を見た。人数はこちらより多い。

「炎だけでなく、水、風、土も」

 炎と水を風に舞わせる。

「一つを極める魔法使いもいる」

「ひとつをきわめる?」

「炎に特化した者、治癒に特化した者。一つだけを学び、研究し続ける、ということだ。魔法使いは魔法に専念するから、剣士と組んでいることが多い。剣士の補助。魔法を完成させるまで剣士に気を引いてもらったりもする。飛ばすこともできる。一緒に飛ぶことも」

 子供達の体を一斉に一メートルほど浮かす。

 子供達は驚き、バランスを崩す者も。

「じゃ、じゃあ、竜みたいに飛ぶこともできるの」

「訓練次第で。だが、力が足りなければ、真っ逆さま。落ちる」

 浮かすのをやめると地面へ。地面から十センチほどのところで浮かせた。

 目を閉じ近くの子に抱きついている子もいれば、呆然としている子も。

「まずは基礎。そこから自分の魔力量を知る」

「まりょくりょう?」

 子供達を地面に下ろし。

「魔力量はそれぞれによって違う。例えるなら、コップの水、だ」

「コップの水?」

「水を魔力と例える。コップ一杯の者もいれば、半分の者も。個人により違う。魔力量が少ない者は多いものに比べると、早く魔力が尽きる。まあ、使う魔法にもよるが」

「使うまほう?」

「魔法には大きく魔力を消費する大技と、それほど消費しない小技がある。これも剣と同じ。大打撃を与えられるが、自分も疲れる、とか終わった後を狙われる、隙をつかれる、とかあるだろ」

 なぜか剣や槍を振っていた子供まで聞いて。

「オレらと変わらないってことか」

 槍を持っている子が。

「訓練方法は違うが、そうだな。剣や槍、体術だって基礎をきちんと習わず、振り回すだけなら」

 覚えがあるのか、頷いている子が何人か。

「自分自身を傷つける。だから基礎から、一からやる。一もできていないのに、いきなり五にいくのは無理だ。特に魔法は。ものによっては自分に返ってくるものもある」

「……」

「返ってくるのか」

 白夜びゃくやまで。

「くる。唱え間違えれば爆発する。一文字でも間違えれば魔法として完成しない、敵に反射されれば。それに」

 声をおとし。

「この前の、苦しめる魔法を見ただろう。ああいうのは失敗すれば自分に返る。だから対策をとっている者もいるのだが」

「あまり、いい方法じゃなさそうだな」

「その通り。自分じゃなく、他の人、動物になすりつける、肩代わりさせる」

 白夜びゃくやは顔をしかめ。

「言葉にも気をつけろ。言った言葉が魔法になる場合もある」

「言葉がまほう?」

言霊ことだま。というやつだ。もし、ふざけて、嫌いだと言い、その言葉に魔力が込められていたら本当に嫌われる。解けるかどうかもわからない」

 特に加減のわからない子供は。

「師匠とお姉さん、どっちが強い」

「……」

「魔法を使ったのなら、私」

 胸を張り。

「何か武道を」

「剣を習っていた。剣の腕だけなら、負ける、かも」

「かも?」

「まず力が違う。時間が長くなれば体力のない私が負ける。あくまで魔法を使わなければ。使えば瞬殺」

 白夜びゃくやはむっと。

「あと、確実に仕留しとめるよう習った。手加減もできない」

「そうか」

 そう言うと、どこかに。

「これは振れるか」

 持ってきたのは木剣。子供達も木剣や木槍で練習している。

 持ち手をラビアに。

「魔法は」

「なし。俺が負けるのだろう」

「どれだけの耐久か試してみたいような」

「やめろ。俺にも仕事がある」

 西竜王の家の警備、だろうか。興味がなかったので聞いていない。逆に聞き返されても。

 近頃、剣を振っていない。受け取り、素振り。

「ふむ」

 簡単に動き、白夜と向き合う。

 髪は白夜びゃくやが結んでくれ。自分でやっても上手く結べず、ぐちゃぐちゃ。解く時にひもやゴムが髪が指に引っかかり、何本か抜ける。

 先に動く。軽いので受けられ。魔法を使えば押し潰せるのだが。

 はじかれ、押される前に白夜から離れ。


「急所、というか、確実仕留められる場所ばかり狙ってきたな」

 額、首、心臓、斬るというより突き。

「剣の腕だけなら負けるかも、と言っただろう。なぜ、こんなことで体力を使わないといけない。今日もこの姿でいてやる」

 呼吸を整え。白夜びゃくやは涼しい顔。汗一つかいていない。途中、むっとして何度魔法を使おうとしたか。

「やめろ」

 白夜は子供達に教えに戻る。

 ラビアは地面に座り、大きく息を吐いた。

「お姉さんも強いんだね」

 子供が寄ってくる。

「さあ、どうかな。上には上がいる。上ばかり見ていても仕方ないが、下ばかり見ていても」

「師匠も強い。なんたって、三将の一人に選ばれたんだから。おれもいつか師匠みたいに」

「三将の一人?」

「知らないの」

「知らない」

「それぞれの地に三将っていって、三人の強い竜がいるんだ」

 それぞれ。四つの地。合わせて十二。

「師匠は純粋な竜以外で初めて、その三将の一人になったんだ」

 子供は自分のことのように誇らしそうに。

「他の地は」

「どうだろう。交流ないし。あ、一年に一度、竜王様達や三将達が集まって、御前試合っていうのをやるみたい」

 試合。竜王同士が戦うのか。見たい、かも。

「竜じゃないと他の地へは渡れないんだ。ここも広いけど」

 人の地も海を渡らないと行けない地がある。それと同じか。

南竜王なんりゅうおう様のとこは暑いって」

北竜王ほくりゅうおう様のとこは雨ばっかりって」

 聞いた話を口々に。

「魔族とも戦っている」

「魔族がでるのか」

 魔族の棲み処は地の底。人の地が近いため、人の地だけに現れるのだと。

 ただ、魔族にもくらいがあり、魔王は底の底に。強いものも。人の地に封じられているものもいる。竜、精霊が人の地に封じ、管理を押し付けた、と聞いている。んでいる場所に物騒なものにいられるより。

「空を飛んで来るんだ」

 それはそうだろう。ここは空。

 人の地にも空を飛ぶ魔族はいるが、飛んでいるのは魔族だけでなく、精霊、妖精、竜も。

 飛んでいるのなら、竜になれる方が有利か。常識外れの人もいる。竜と人の子となれば。

「師匠は馬鹿にされても、一生懸命頑張って、西竜王せいりゅうおう様に認められたんだ」

「馬鹿にされても?」

「ぼく達みたいな竜と人の子は半端はんぱものって言われて馬鹿にされることがあるんだ」

「……」

 そういえば、最初に見つけた女性のいた所の男も、白夜びゃくやにそんなことを。

「師匠は西竜王様の奥方様とも仲が良いから」

 人と変わらないなぁ、と。

 だが純粋な竜が減り続ければ。

 おそらく、ここも竜王達のなんらかの力で浮いているのだろう。空気も薄くない。人の地と同じ。それとも道具、か。道具なら点検しないと、ずっとはもたない。

 いずれ竜も人の地に下りてくるのか。



 白夜びゃくやは毎日毎日、大人しくしていろ、馬鹿はするな、とうるさい。

 記憶を消してやろうか、と考えることも。ここでの少ない協力者。ご飯に寝床。終わってから消しても遅くないかと。ばれないように外に出ていた。

「こんにちは」

 人の姿で歩いていると声をかけられ。

 高い声。見ると、女が笑顔で。

「竜?」

「はずれ。あんた、人だろ」

 気安く、明るい口調。女は黒の色眼鏡をかけており、瞳の色はわかりにくい。

「最近この辺りを美人が歩いているって聞いたから。竜に連れて来られたしるし付き?」

「印?」

眷属けんぞくってやつ。結婚してる?」

「いや」

 首を左右に振る。

「ふうん。だったら相手をさがしている?」

「……捜しているは、捜している」

「なんだい、それは」

 女は軽く笑い。

「うちらなら紹介してあげられるよ。純粋な竜でも、顔のいい竜でも。あんたほどなら」

 じっと見てくる。眼鏡メガネをずらした目には暗い光。よくない考え。歳は三十前半くらいか。

「断れば」

「残念だけど、断れないよ」

 女の背後から二人の男が。さらにラビアの背後からも三人。口笛を吹いている男も。

「丁重に扱いな。高く売れる」

 そういえば、最初に見つけ、助け出した女性、その後見つけた女性の何人かが、女が面倒を見てくれたと。

「ついてくるだろ」

 眼鏡を戻し、女は歪んだ笑み。

「人の地から女性をさらってきて、竜に高い金払わせ、会わせている、というのはお前達か」

「需要と供給」

 女は顎をしゃくり。歩け、ということだろう。ついて歩く。

「お前は竜の妻? 眷属けんぞく?」

「随分偉そうな口をくね。眷属化できるのは純粋な竜だけ。半端ものにはできないよ。眷族になり、長く生きたいのかい。ご自慢の美貌を保ち続けたいと」

「思ったことはない。この顔で馬鹿なことを言われ、面倒にも巻き込まれた。今も」

「はは、そうかい」

「正体がばれると、皆、おびえ」

「は? なんだいそれは。ああ、精霊と人の子、かい。彼ら彼女らもきれいな容姿をしているから。高い値がつく」

「違うが。まあ、いいか。知らない方が幸せだとも言うし」

 隠すように逃げられないように、周りには男達が。

「アエリ、という女性を知っているか。明るい茶色の髪と瞳。年は二十歳」

「さあ、一人一人覚えていないよ」

 前を歩く女は小さく肩をすくめ。

「つまり、今までにも何人も」

「さっきも言ったけど、需要と供給。大喜びの娘もいた。次まで間があるけど、早めるか。下の連中にも連絡をとって」

「どうやって連絡をとっている。ここは竜に連れて来てもらうか、道を使わないと」

じゃの道はへび。下のことなんか気にする必要ないよ。あんたほどの者なら、竜が取り合う。ここだよ」

 どこをどう歩いたか。家の数は減り、三軒並んでぽつんと建っている場所に。

 真ん中の家、玄関の扉を開け、中へ。

「ここには今、連れて来られた娘はいるのか」

 外観はぼろかったが、中はきれい。

「いないよ」

「それなら、燃やしても文句は言われないか」

「は? 何を言っている。恐怖でおかしくなった?」

「いや。上手くれた、食いついてくれた。そして、恐怖するのはお前らだ」

 女も、男も笑っていたが、数秒後、それは悲鳴に変わった。


白夜びゃくやはいるか」

 西竜王せいりゅうおうの屋敷前にいる男に声をかける。片手には槍を持ち、姿勢よく立っていた。

「……」

 男はぼんやりして。

「白夜はいるか」

 再び、はっきり、ゆっくり。

「あ、びゃ、白夜殿ですね。います。まだ帰っていない、はず。出て行くのを見ていませんので」

「どこに行けば会える」

「案内します」

「いいのか」

「かまいません。こちらです」

 男は右手と右足を出して歩き出した。

 白夜が買ったショールをかぶり、顔を隠した。



白夜びゃくや殿」

 二人と手合わせしていると呼ばれ、見ると、門番をしている男が。その背から女性が。

「もしかして、あれがうわさの」

「違います。知り合いです」

 ラビアは門番に小さく頭を下げ、こちらに。そばの二人はにやにや。

「何をしている」

 白夜も大股おおまたで歩き、近づいて行く。

「顔は隠してきた。あの男には見せたが。ネズミの姿でここに来るのは時間がかかる。中を物色していいのなら」

「するな。用件は」

「娘をさらい、竜に高い金を払わせている者達を見つけて、めた」

「……」

「焼いてはいない。証拠を燃やしても。逃げられては困るから、気絶させて、動けないようにはしている。とはいえ、いつまで気絶しているか。あの場所にいない仲間が戻ってくれば」

 ラビアは息を吐き。

「招待状が何枚かあったから、それは持ってきた」

 手には白い封筒。

「あれは一部だろう。他にもいるような口ぶりだった」

「あれほど、勝手をするなと、言っただろう」

 声を低く、怒りをにじませ。

「なにをしている」

 一言、一言はっきりと。

おとり。上手くれた。噂になっているようだっ」

 ラビアの両頬をつねる。

「おいおいおい。何をしている。喧嘩けんかか」

 それまで見ていた二人が傍に。

「いえ、勝手をして、危険な場所に飛び込んだようなので」

「はあ?」

「あれくらいっ」

 ゆるめていた力を再び入れ、つねる。

「おや、久しぶり。なぜ、ここに」

 白慈はくじまで現れ。

「娘をさらった一味をめてきた」

「さらりと言うな」

「……」

 白慈は笑い、二人は黙り。細い体。どう見ても荒仕事とは無縁。黙って立っていれば護らなければと思わなくも。

「ここに書かれている名前はさっぱり。そちらが詳しいだろう。女もいたが、男は竜と人の子ばかりだった。あ、子供でなく、大人」

 封筒を持っている手を振っている。

「そういうわけです。俺は今からそちらに。白斗はくと

 手にある招待状とやらを奪い取り、

「こちらをお願いします」

 有無を言わせず、上司の白斗はくとに渡す。

「あ、ああ」

「行くぞ」

 右手首を握り、その場から足早に。


 迷いながらも、その屋敷に辿り着くと、女性が一人、男が五人、倒れていた。

「増えていないし、減ってもいない」

 ラビアは倒れている者を見て。

 見かけにだまされると痛い目にう、というのはこういうことかと。

 怒り、呆れ、安堵。なんともいえない気持ちに。

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