第7話 面


修正の恐れ。Kはその機嫌を害する過程に非常に興味を持ち、修正のために変更と変則をまき散らして、次に来るかも知れない行き止まりを期待していた。Kは白い寝耳に新しい寝言を刷り込んだ。あるべきものが溜まり、淀む。それらは重なりも混ざりもしない。我々はKに、記憶を聞かせてくれと尋ねた。Kはとても軽い表情で女の子のことを思い出した。


「団地に住んでいた4人の女の子がいつも隅の美観のための構造物に集まっていて、その中の一人が私だった。美観のための構造物であるとはいえ、それはただ7つのボールがこぶのように地面で隆起している姿だけだった。あるいは、設置美術。そのボールは、一番小さいのは膝までだったが、大きいのは大人の身長をはるかに超えるほどの大きさだった。赤、青、白、黄色。私たちはその球に毎日登って、しばし何も言わずに抱きしめていた。冷たい日は冷たかった。暑い日は暑かった。頰と腹の肌が冷たくて暑い。」


Kはその話をしながら何度も修正を加えたのだろうか?Kにとってはうそだとか、作り事だとかいう区別は無用なはず。ある話がますます膨らみ、湧き上がり始めるのだ。我々は正確な話を疑うだけでなく、むしろ限りなく憎んでいる。精密によく組み立てられた、練られた話こそ攻撃するのに不足のない犠牲ものだ。飛ぶ。話は飛ぶべき。よく組み立てられた解放の顔面に浮かんでいる縮れた後悔が涼しく見える。


話は中断になるべき。

話は進まなくなるべき。

話は止まるべき。

話は回るべき。


話の歩み幅はいつもつかまる。自ら自分の足元を引っ張っていて、それで自分が自分の足を踏み続ける。泥になるのだ。そこでは、痕跡さえ疲れて形を放棄する。何故この物語を書いているのかとKに聞いたら。


「死に向かう衝動がまだ足りないからだ。」


Kは手のひらを見せた。


「この中に外風が入ってきて、騒乱を起こすんだ。こんなに小さくて何もないところでも場所は場所で、環境は環境だろう。」


その瞬間、我々は途方もない恥ずかしさに、さぞ嫉妬にも似た恥ずかしさに、かられた。我々は顔を描くことができなかった。顔は野放しの表情の場であり、同時にその表情を狩る場でもある。


「死への衝動が満たされたらどうなるの?」

「予想通りに捗るわけがないんだ。満たされるかどうか、十分か足りないか、摂理は自分の窮屈な枠をいつも破ってしまうんだ。」

「そしてNに行けばいいのかな?」

「至る所に良い未完成ばかり!問題は進行するかどうかだよ。」


KにNを想定して以来、我々は生贄に過ぎなくなった。我々の精神はKを乗せて移動させた。波のように。有限がある限り、分節に関する試みが一切阻まれることを我々は知らなかったのだ。そう、有限の途中、何も分節されない。有限の途中、何もかもが関係になって無視される。ただの見えない点のみが正しいとされているのだ。始まりと終わり。途中は読まれ、過ごされ、憎まれ、そのおおよそはしわの谷に落ちる。そう、さっと吹く風にしわは広がり、谷は揺れ動く。ああー、個々の完成せはダニだ。全身に力を入れてすがっているしかない。手のひらに風を吹きかけたKは自己暗示を始めた。それは生きることも死ぬことも、両方とも肯定できる妙な言葉だった。


「異邦人に持たされた自由はいったいどんなものなのか。異邦人は今到着したところに外れる存在であり、元々慣れていたところにも外れる。異邦人は怒りと好意で、攻撃と防御で自由を演じ、延長する。常に異邦人であり続けるのさ。常に幻想的に存在するのさ。」




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