第56話 ヒロイン達とお風呂!


「くれぐれも、無理はしないで。 辛かったらすぐに出てね」

「「「は~い!」」」


 3人は俺から少しずつ距離を開けてサウナの部屋に座る。


 すると、間もなくルーナは全身から汗を流しながら、舌を出してゼェゼェと荒い呼吸を始めた。


「ルーナ、大丈夫? もしかして暑いの苦手?」

「うみゃみゃ~、暑いよ~! でも、もう5分くらいは経ったんじゃない?」

「まだ、1分と少しだね……」

「…………」


 ルーナは駆け出してサウナの扉から出て行った。

 絶望に心が耐え切れなかったのだろう。

 哀れな……。


 そのまま3分が経過して、俺も少しずつキツくなってきた。

 念の為、フェリとロマリアに尋ねる。


「2人はまだ大丈夫?」

「暑いけど……まだ大丈夫……」

「――へ? あ、あぁ! はい、大丈夫? です!」


 フェリは少しだけキツそうだけど、ロマリアの表情はいつもと変わらなかった。

 そして、ようやくその時がきた。


「――5分経ったよ! あっ、でも急がないでゆっくりと立ち上がって出口に向かってね」

「な、何とか耐えた……うっ、立つと暑い……」

「意外とあっという間ですね!」


 辛そうなフェリとは正反対の反応を示すロマリア。

 意外と、一番ガッツがあるのだろうか?


「ふぅ~……」

「冷たくて気持ち良い……」

「わわ、私……エノア様と同じお風呂に入っちゃってます……」


 3人で水風呂に入ると、普通の湯船の方ではルーナが気持ちよさそうに身体を沈めていた。

 俺たちを見て、感心した声を上げる。


「3人とも凄いね~。あんなに暑い中に居られるなんて」

「私はもう限界……辛かったけど、同じように辛そうにしてるエノアの顔を見れるから頑張れた……」

「フェリって実はドSだったりする……?」

「ふふ……汗だくで苦しそうな表情のエノア……とても可愛かった……」


 フェリの恍惚とした笑みを見て、俺の背筋が冷たく感じたのは、きっと水風呂のせいだろう。


 ――――――――――――――

【業務連絡】

 今回は短めですみません、引き続きよろしくお願いいたします!

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