第38話 冒険者ギルドにて
冒険者ギルドの中は、常に活気と緊張感が入り混じった雰囲気に包まれていた。
まず目に飛び込むのは、広々としたメインホール。
ここは、冒険者たちが集まって次のクエストの打ち合わせをしたり、戦いの後の休息を取る場所となっている。
ホールの中央には、巨大な掲示板が立っており、そこには討伐依頼や探索クエストがぎっしりと貼られている。
魔物の討伐や財宝の発見依頼など、色とりどりの紙が風に揺れていた。
ホールの周囲には、木製の長テーブルと椅子が並び、冒険者たちが食事や飲み物を楽しみながら語り合う姿が見られる。
たまに武勇伝を誇らしげに語る声や、次のクエストの計画を練る真剣な声が響き渡る。
冒険者の鎧や剣がテーブルの下に無造作に置かれ、重厚な金属音が時折響く。
俺はあらかじめルーナに注意をしておいた。
「ルーナ、ここでは怒っちゃダメだよ」
「怒るって……?」
「冒険者はガラが悪いから、俺やロマリアやフェリの事を馬鹿にするような事を言われると思う。でもそれでルーナが怒ったりすると収集がつかなくなっちゃうから」
ルーナは難しそうな表情で唸る。
「えー、でもエノアが馬鹿にされたら私我慢出来ないよ〜」
「それでも我慢して、お願い」
「う〜……エノアがそう言うなら、頑張る~」
ルーナについてはひとまず大丈夫かな。
「ロマリアとフェリは俺の近くにいて。何かあったらすぐ俺に助けを求めること」
「わ、分かりました……!」
「うん……エルフのみんなの場所をここでつき止めないとね……」
俺はみんなと一緒に歩いてギルドの受付カウンターに向かう。
「おいおい、何だよガキ共がギルド内を歩いてるぜ?」
「ガキは帰ってママのミルクでも飲んでな~」
「おい坊主、お前のパーティ女だらけじゃねーか!」
「嬢ちゃんたち、こっちで俺らと飲まねぇか~」
案の定、ギルドの冒険者たちがヤジを飛ばしてくる。
ロマリアとフェリは寄り添うように俺のそばを歩く。
ルーナも言い返さずに「グルルル」と小さく唸って我慢してくれている。
でもあまりもちそうにないから、早くウィシュタル家の奴隷たちについて情報を手に入れないと……。
――そんな時、金色の鎧を着た一人の冒険者が俺たちの前に立ちはだかった。
そして、ロマリアを指さす。
「おいおい! お前、ウィシュタル家の奴隷じゃねぇか? どうしてこんな所にいるんだよ!」
ロマリアは怯えた表情で俺の服の裾をギュッと掴んだ。
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【業務連絡】
少し投稿が遅れてすみません!
引き続き、よろしくお願いいたします!
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