第37話 ヴァリス王国を歩こう!

 俺たち4人は、ヴァリス王国についた。


「ここが……ヴァリス王国」


 活気で溢れている王都を4人で見回す。


 巨大な城壁に囲まれた街は、城門を通るとすぐに賑やかな通りが広がり、人々の声や商人たちの呼び声が絶え間なく響いている。

 石畳の道には豪華な馬車が走り、旅人や商人たちが行き交う。

 中心部には、ひと際目を引く王宮がそびえ立っており、白い大理石で作られたその壁は光を受けて輝いていた。


「うわー、町ってこんな感じになってたんだなー」


 俺はウィシュタル家の敷地内から出たことがないから、町を見るのも初めてだった。

 この光景に俺が声を上げると、ルーナが得意顔で胸を張る。


「エノア、迷子にならないように手を繋いであげよっか」

「ルーナ、俺は子供じゃないから大丈夫だよ」

「ふーん……あっ、向こうから美味しそうな匂いがする!」

「こら、ルーナ。勝手に行かないでってば、ルーナの方が迷子になっちゃいそうだなぁ。ロマリアとフェリは大丈夫?」


 2人は俺の言葉に頷く。


「大丈夫です! 私は、使用人の時に町を何度か歩いたので!」

「そっか、じゃあロマリアといれば迷子にならなさそうだね」

「あ、ああ、じゃ、じゃあ……! て、てて、手をつ、つな――」

「ロマリア、大丈夫? なんか、凄い勢いで顔が赤くなってるけど」

「――な、なんでもないです! すみません! 出過ぎた真似を!」


 何のことか分からないけれど、ロマリアはまたペコペコと俺に頭を下げる。

 一方、フェリは耳当てをパーカーの上から装着した。


「私は来るの初めて……凄く騒々しい……」

「耳当てをしても俺の声は聞こえるの?」

「エルフは耳が良いから……これくらいが丁度良い……」

「そっか、気を付けて歩いてね」


 4人で街を見回しながら少し歩くと、北部の方には貴族たちの屋敷が並ぶ高級住宅街があった。

 その周囲は整えられた庭園や噴水で飾られ、優雅な馬車が行き交っている。


(ウェイシュタル家の屋敷も向こうだな……)


 とはいえ、そのまま行くと俺の顔がバレて警戒される可能性もあるし……。

 どうにか別の方法でエルフ達が収容されている場所を探れないかな。

 そう思っていると、ルーナはビシッと目の前の大きな建物を指さした。


「あっ、冒険者ギルドだよ! 行こう! 情報を集めるなら、やっぱりここだよ!」


 こうして、俺たちは冒険者たちが集まるギルドへと足を踏み入れた。


 ――――――――――――――

【業務連絡】

 引き続き、よろしくお願いいたします!

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 返すのが難しくなってきましたが、有難く読ませていただいております!

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