第34話 王都に行こう!

「とりあえず、ヴァリス王国に行ってウィシュタル家の奴隷たちがどこに連れていかれるのか情報収集しようか」


 俺が提案すると、三者三様の反応を見せる。


「町に行くんだね! 楽しみ~!」

「少し怖いですが…エノア様と一緒でしたら何処でも大丈夫です!」

「人間の町……初めて……」

「ルーナやフェリはそのまま国に入っても大丈夫なの?」


 ルーナは猫耳と尻尾が生えているし、フェリはエルフなので耳が少し尖っている。

 人間ではないとバレてしまいそうだけど……。

 そのあたりを、ルーナが教えてくれる。


「私は他の人から見たら『獣人』にしか見えないから大丈夫だよ。獣人はそんなに珍しくないから。でも、フェリは耳を隠した方が良いかも……エルフは希少価値が高いから人さらいに狙われちゃう」

「そっか、じゃあフード付きのパーカーを着ようか」

「うん……」


 俺がキャンプスキルで出してあげると、フェリはそれを着てクルクルと回る。


「ふふふ……♪」

「どうしたの、フェリ? 随分楽しそうだけど」

「エルフ族は伝統的な服しか着させてもらえないから……エノアが出した色んな服が着れるの楽しい……」

「じゃあ、服も新しいのを用意するね」


 せっかくパーカーを出したので、それに合わせたコーディネートを考える。

 俺はスキルレベルが上がったことで服のレパートリーが増えたので、キャンプ用の服とは思えないようなお洒落で綺麗な服も出せるようになっていた。

 動くのが楽で、それでいて、あまり派手じゃないように……となるとこれかな。


 俺はフェリの為に部屋着のようなラフなズボンとシャツを用意する。

 いわゆる、ダウナー系ファッションだ。

 何だかフェリの性格とも合っている気がする。

 服の一式を見て、フェリは瞳を輝かせた。


「凄い……新しい私に出会えそうな気がする……」

「気に入ってもらえて良かった、着てた服は俺が収納しておくから着替えたら渡してね」


 フェリは嬉しそうに服を抱きしめた。


 ――――――――――――――

【業務連絡】

 タイトル、また変更します!

『食べるだけで強くなる能力で異世界無双』くらい変わると思いますので、見失わないようにお気を付けください!


 引き続きよろしくお願いいたします!

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