第33話 エルフが捕まっている場所
人数分のブレスチャウダーをテーブルに並べると、 スープを作っている間に網で焼き目をつけていたバケットも真ん中に置いた。
エラスムス霊山で取れた野菜と果物をスムージーにして、食事の準備が整うと4人で手を合わせる。
「「「「いただきまーす!」」」」
一口含むと、温かさが口いっぱいに広がり、まるで体の芯まで染み渡るような感覚がする。
柔らかく煮込まれたドラゴン肉、ほろほろと崩れ、舌の上でとろけていく。
ロマリアが切ってくれたタマネギやセロリも丁度良くて、スープのさっぱりとした旨味が後を引き、野菜の甘みと調和し、満足感が広がる。
最後にかけたハーブとドラゴンペッパーも絶妙で、食材の味を引き立てている。
「美味しい~!」
「温かいです……!」
「うん……最高……」
「これは朝にピッタリだね」
ルーナはすぐに食べ終わってスープをお代わりをする。
たくさん食べるだろうと思って多めに作ってはいたけれど流石にスープとパンだけじゃルーナの食欲は収まらなそうだ。
というわけで、赤身の部分のみを使ったドラゴン肉のステーキも追加で焼いたけれどルーナは問題なく食べきってしまった。
「はぁ~満足満足♪」
「ルーナ、作っておいてなんだけどよく朝からステーキなんて食べられるね」
「流石はルーナ様……!」
「このスムージー……凄く美味しい……」
そんな調子で全員食べ終わったので、俺は食器を片付けると話を切り出した。
「よし、それじゃあアランからエルフ族のみんなを解放する方法を考えよう」
「はいはーい! 私に案があります!」
「何? ルーナ」
「アランの屋敷に乗り込んでアランを捕まえて、奴隷たちを開放して、アランを全員でお仕置きする!」
「それ……作戦……?」
「流石はルーナ様! ワイルドです!」
「あはは……アランを直接叩きに行くのは結構リスクが高いから、それよりもエルフ族のみんなを開放することを優先しよう」
ルーナの完璧な作戦は置いておいて、俺は考える。
エルフの奴隷なんて、例え捕まえられたとしてもヴァリス王国にそう簡単に入れられるか?
いきなり大量のエルフの奴隷が入ったら王国による調査は免れないだろうし……
となると――
「多分だけど……アランが奴隷を収容している場所はヴァリス王国内じゃない。だよね、ロマリア?」
「は、はい! 恐らくそうだと思います……。私は屋敷で粗相をして奴隷に落とされましたが、その際に馬車で運ばれた記憶があります」
「場所はどこか分かる?」
「す、すみません……移動の際は目隠しをされていて……。このエラスムス霊山に捨てられる時も直前まで目隠しをされていたので場所が分からないんです……」
「どれくらいの時間乗せられたかは覚えてる?」
「ほ、本当に申し訳ございません……エノア様。私、その時は本当に殺されると思っていて……気が気じゃなくて……一瞬のような……永遠のような時間が流れて……」
「――ご、ごめん! 無理に思い出さなくて良いよ!」
身体がガタガタと震え出してしまったロマリア。
ルーナがすぐにギュッと抱きしめて安心させてあげてくれた。
手掛かりは今のところないけれど、どうにかエルフの奴隷が収容されている場所を突き止めないと……。
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いつも読んで頂き、ありがとうございます!
本日、漫画『ギルド追放された雑用係の下剋上~超万能な生活スキルで世界最強~』の更新日です!
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引き続き、よろしくお願いします!
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