第6話 カスハラ

「おい、これ頼んでないんだけど?」


「あっ、申し訳ございません。今おさげいたします。」


「あとこの料理だけど、メニューに載ってる写真と違うじゃん!この写真みたいなボリュームはないし、色味も違うし。こんなのに金を払いたくねえよ!!」


「申し訳ございません。しかし、そういった対応は当店ではできかねます。」


「は!?それじゃあ俺は画像詐欺されてんのに、泣き寝入りしろってこと?そんなふざけた対応ある?ありえないんだけど!」


「メニューの画像はあくまでイメージとなっておりますので・・・」


「いやいや、じゃあこんな画像をメニューに載せんなよ!!マジであり得ねえ!客が正当な要求してんのに、それに対応できないとか・・・店長呼んで来い!」


「・・・・承知いたしました」



カスタマーハラスメント


~ハラスメントという言葉は、パワーハラスメントを筆頭にあらゆる場面で使われるようになってきている。


カスタマーハラスメント、通称カスハラは、客による度を越したクレームや店員を見下した態度、暴言などをさして言われるようになった。


こういったカスハラを行う人種は、自身を第三者目線で見ることができず、普段の生活でのストレスを立場的に弱い人間にぶつけて発散しているのかもしれない。


自身が働いている会社では逆に顧客からクレームを受けていて、自分がカスハラを受けているから、客の立場になるとカスハラを行うという負の連鎖に陥っている可能性もある。


モンスターカスタマーとでも呼ばれるのだろうか。


いまだに拡散力の発達した社会でも、商品の乱暴な扱いや店員への暴言・暴力的な態度が減ることはなく、現場の問題となっていることが現状である。


ストレス社会が生み出した社会問題であり、我慢をしいられてきた人たちの怒り経験値が溜まった結果、進化した姿がモンスターカスタマーなのかもしれない。


最近でも酔った客が支払いの現金を叩きつける行為が、動画で拡散されニュースになるといったことがあった。


暴力を振るうといった行為まではいかないまでも、そういった行為を受けた店員の精神的なダメージは相当に大きいものとなるだろう。



「ねえ、ここの店員の対応どうなってんの?客が不快になって正しい主張してんのに、それを断るだけでなんの誠意も見せられないの?」


「申し訳ございません。今回ご注文いただきました商品につきましては、お代はいただきませんので・・・」


「はあぁ・・・まぁいいや、店員の教育ちゃんとしとけよ!」


「はい、ご迷惑をおかけして申し訳ございません。」


モンスターカスタマーはそう言って席を立つと、頭を下げる店員と店長の横をぶつぶつ言いながら通り過ぎて、退店していった。



「店長、ご迷惑おかけしてすみません。」


「ああいった客には、とりあえず逆らわずに代金をもらわないという対応でいいから。最近多い気がするなあ、クレーマー・・・」


困った顔でバックヤードへ戻っていく店長を見届け、業務へと戻る。


たしかに、今まではあまり理不尽なクレームや暴言などを言ってくる質の悪い客は滅多にいなかった。


しかしここ最近では、お店に来る客の店員に対する態度が悪くなったように感じる。


こういった現状は、店長から本部へ連絡がいっているとは思うのだが、あまり本部で重要な課題として認識されていないのか、特に対応方針の変更などがない。


本部は売上のことばかりで、現場の声は二の次になってしまっているのだろう。


いっそのことクレーマー集団による大規模なカスハラ作戦でも実行されて、本部の売り上げ主義に響く状況にでもなれば、本部も無視できないのではないかと考える。


それはそれで現場が大変になってしまうから、やめていただきたいと思い直す。



ピンポーン


注文のための呼び出しベルが鳴った席へと向かう。


「お待たせいたしました。ご注文をお伺いいたします。」


・・・・






>うずらの卵

2024年10月19日

最近、働いてるお店にクレーマーが来る率高い気がする・・・

精神もやられるし、最悪でしかない

カスハラする人って頭おかしいとしか思えない

はやく〇んじゃえ!!

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