見つからない終わり

25mプールを泳ぐ。ずっと泳ぎ続ける。終わりなど見えない、それでも泳いでいる。心の汚れは流してはくれない。それでも、払拭するように泳ぎ続ける。終わりのないゴールに向かって泳ぐ。終わりたいのに、終われない。

『君の終わりはない』 誰に言われたんのだろう。終わりがないとはどういうことだろう。

「まだ泳ぐんですか」

 顔を上げると、水田がいた。

「まだ泳ぐよ」

「終わりましょうよ」

「先に帰れよ」

「えっ、寂しいじゃないですか」

付き合いきれず、また潜って、泳ぐ。それでも終わりはない。

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