言い方のその先
なぜか、繰り返す。「君はバカか」「君はバカだ」
語尾を間違えただけで、電気椅子の電流が体中に流れてくる。これはいつまで続くのだろう。机の前に座る不気味な顔の男。
「では繰り返してください。君はバカか」
「君はバカか」
電流でしびれた体が理性と飛ばす。微笑んでいる。
「僕の言うことだけ聞いていればいいんだよ。」
そう言って、部屋と出て行く。電流椅子からは一歩も動けない私を置いていく。
ドアが開いて、知らない女性が入ってきた。その女性は私の顔を見て、出て行った。
「大丈夫ですか?」と3人くらいの男性が部屋に入ってきた。私は「大丈夫ですか」と繰り返す。男性たちは「少し疲れているようですね。何も言わなくていいですよ」そう言って、両腕と両足の結束バンドを外されしてくれて、私は担架に乗せられ、自部屋を出た。1か月ぶりに外の空気があびて、陽射しが眩しかった。救急車に乗せられて運ばれていった。
「あの、ここに居た男の人はどこに居ますか」
「大丈夫だよ。もういないよ」
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