働かない
言葉が、思い通りに伝わらず、ストレートにはなってしまう。根暗の根がどんどん腐っていく。それでも生きて行かないといけない。何で生きているんだろう。その問いに、先生は「人間、生きていれば丸儲け」と訳の分からないことを放つ。そんな言葉など、求めてもいない。死ぬ勇気さえ、見当たらない。甘えが心と頭に巡っていく。
「君の顔は、血の気がないね」
そうだろう。生きるつもりもない。ただ息をしていることだけが、自分の中で、誰の許可もなく続いている。 空はただ青く広がって、冷たく見下している。
「先生、僕ってどうしたらいいですか?」
「それは君が決めることだよ」
それも分かっている。何を聞けばいいのか分からず、ただ言葉が脱線していく。
「とりあえず、来週もおいで」
精神科のくせに、ただ身勝手こと言う。
『今日も一日お疲れ様でした。』
イヤホンからラジオから聴こえてくる。働いていない人間は疲れなどない。何をしていて責められている気分が鳴りやまない。歩道橋でホームレスの衣食住までなくして何で生きようしてるのだろう。その生命力が羨ましい。ずっと、働かない意味を探している。いつまで経っても答えは見つからない。
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