第20話 七姫試練 二の試練 誘惑

2日目、今日俺たちは特にどこかに行くことなく放課後、姫の部屋に集まった。


「今日は私の試練で〜〜す♪」


めちゃくちゃ楽しそうにウィンクを決めてそう言った二宮。

2日目の試練は二宮が用意した。試練・・・なんだが・・・


「なんでこの部屋こんなピンクな訳・・・?」


いつもの重々しい雰囲気とは違い部屋が異様にピンクでなんか知らないけど部屋の真ん中にデカいベットが置いてある。


「な、なんなのこの破廉恥な部屋は・・・!!」

「すご」

「これは面白そう」

「彼女の趣味が丸わかりじゃない」

「集中の乱れ」

「改築予算は全負担だからね」


六倉、五十嵐、四乃原先輩、三秋、七星、一条先輩とそれぞれこの部屋の感想を簡潔に述べる。


「どうですかこの最高のは!!」


撮影部屋、それが今日の試験の内容だ。

2日目、二宮の試練は今日中に二宮が満足する写真を撮ること(モデルは二宮)


「撮影部屋ってここまで改造する必要ないでしょう!」

「ち、ち、ち。六倉先輩は分かってないですね〜」


二宮が制服を脱ぎ始める。


「ちょっ、ちょっと何してるの!?」


六倉が顔を真っ赤にして目を手で隠しながら怒鳴る。

しかし二宮は止まらず制服を全部脱いだ。


「どうです?似合うでしょう♪」

「あ、あああ貴方は、本当に!?」

「落ち着いて。アレ水着」


三秋がてんやわんやしてる六倉に今の二宮の今の状態を教える。

六倉はチラッと指と指の間から覗き見る。


「なるほど、これが俗にあるお楽しみシーンか」

「いやいや四乃原先輩流石にそれは違うと思いますよ!」


四乃原先輩の感想に五十嵐がツッコミを入れる。

それに関しては俺も五十嵐に同意だ。

確かに水着とはいえ、現状アレは完全に下着としての役割だが一応水着だ。

そんな主人公とヒロイン達のイチャイチャゾーンではないと思う・・・・・・ないと思いたい。

炎上はしたくない。


「それで俺はあのカメラでお前を撮影すればいいのか?」

「はいその通りです〜〜♪特大サービスで気に入った写真はあげますよ〜♪」

「あ、遠慮しときます」

「んも〜〜つ〜れ〜な〜い〜」


ドデカイキングサイズのベットの上でプク〜っと頬を膨らませ寝転ぶ二宮。

そんな二宮は置いといて机の上に並べてある10台のカメラを確認する。


「って、こんなにカメラいるか!?」

「何事も妥協はしたくないんで♪」

「アタシの撮影でも一度にこんなに使わないんだけど」


モデルさんの仕事より多い台数とかやっぱりこんなに要らないだろう。

こんだけでどれだけ金がかかっているのか・・・。

開はカメラの性能をスマホで確認しながら手探りで調整する。


「じゃあ先輩が準備してる間に先輩達も着替えてきたらどうですか?」

「え、それってどういうこと?」


五十嵐の疑問に二宮が楽しそうに答える。


「じゃじゃーん!私のコレクションを沢山持って来たので今日限定でお貸ししま〜す♪」


二宮が奥にあったクローゼットから大量のコレクションならぬコスプレを取り出した。

そのクローゼットそんなんが入ってたのかよ。てか見た目以上に入るんだな。


「でも着替える場所がないじゃん?」

「三秋先輩、それはご心配なく」


二宮が自分の机からスーツケースと謎のスイッチを取り出してボタンを押すとスーツケースが中々なサイズの更衣室に変わった。


「ここで着替えれば大丈夫です!ちゃんと内外から遮断されてるんで安心です!あ、音は漏れるんでそこはご注意を♪」

「二宮準備出来たぞ」

「あ、はーーい!」


開が準備を終えると二宮は嬉々としてベットの上でポージングをとる。


「まずは試しに撮ってみるから」

「はい。好きなだけ撮ってくれていいですよ」


まずは定番の正面から。

パシャリとシャッター音が鳴る。


「へぇ〜やっぱりスマホのカメラとは画質が段違いだな」


俺は撮られた写真を見てそう思った。今のスマホを十分高性能だがやっぱりそれ専用器機には及ばないと感じた。もしかしたらこれがそれ以上に高性能なだけかもしれないが。


「じゃあ次いくぞ」

「はい!どんどん私で欲情して下さい♪」

「はいはい。撮るからな」


パシャパシャと色んな角度で二宮を撮っていく。二宮も興にノリいろんなポーズで写真を撮っていった。


「ほらほら先輩たちもそんな所でじっとしてないで一緒に楽しみましょうよ〜〜」


絡みつくような口調で二宮が6人を誘う。


「や、やる訳ないでしょう!そうですよね会長」

「まったく、仕方がないわね」

「会長!?」


まさかの味方だと思っていた一条先輩が二宮の誘いに乗ってしまい驚く六倉。

だがそれ以上に驚くのがその場で制服を脱ぎ始め、その美しい肉体美が段々と浮き彫りになりとうとう姿になる一条先輩。


「鷹宮君、しっかり撮ってね」


そう言ってさも流れ的にそうでしょうと言わん感じにベットに上がり二宮の上に被さり合い、脚を絡める一条先輩。


「一条先輩って意外と話分かるんですね。私の中で株価爆上げです」

「ふふ、それはありがとう」

「いやいやいや、なんか盛り上がってるけどなんで先輩も制服の下水着なんです!?」


なんかそのまま流れで誰もツッコミ入れそうになかったからツッコンだが一条先輩が水着着てたのは明らかにおかしいだろう!!


「別にそんなことはないわよ。彼女の企画書は事前に把握済みだし彼女の性格を考えれば自ずと分かるわ」

「それでも普通着ないでしょう」

「だって、面白くないじゃない?」

「なんだそれ・・・」


そういう読解力というのか理解力というのかなんて言うか分からないが色々スペックの無駄遣いだろう。六倉なんてもうおかしくなっちまったのか目グルグルさせておっぱい揉むような仕草してるぞ?

流石の俺でもそれはどうかと思うぞ?


「だから言った。ここはお楽しみシーンだと」

「な、なんかめっちゃエッチィでしゅ〜〜」


何故なにゆえか満足そうに頷きメモの上でペンを走せる四乃原先輩とキャパオーバーで頭から煙を吹いている。


「四乃原先輩・・・」


俺はこの中で唯一一条先輩と同級生の四乃原先輩に助けを求める。


「無理。こうなった彩花をボクは止められない」


どうやらこの状況をどうにか出来る人はこの場にはいないようだ。


「鷹宮君、早くして」

「そうですよ先輩。時間は有限なんですから♪」


止められる訳がなかった。俺はもう心を無にして写真を撮っていく。

だがこれだけは断言しよう。これはそこらの同人誌よりよっぽど需要を満たすと。


「ほらほら、三秋先輩に五十嵐先輩、七星ちゃんも遠慮しないで」

「ちょっ、え!?」

「プシュ〜〜」

「・・・・・・」


二宮が三人を無理矢理更衣室に押し入れて衣装を押し付けた。まともな反応してたの三秋だけだったがな。


「ほら、楓さんも四乃原さんもやるわよ」

「え、ええーーー!?」

「はぁ、仕方ないか」


一条先輩が六倉と四乃原先輩を押し切った。

そこからはある意味ご褒美であり、ある種の拷問であった。

とんでもない美少女7人のなんとも言えないコスプレの写真を7C2×2×7C3×2×7C6×7C7の計120組の更に衣装分と何枚か撮るのをかけた軽く1万枚手前まで写真を撮った。


「うん!満足満足♪先輩今日はありがとうございました!文句なしの合格です!」


二宮がめちゃくちゃ満足そうに親指を立てて合格を言い渡した。


「そうか。じゃあ俺は一度外に出てるから全員着替え終えたら呼んでくれ」


そう言って開は静かに部屋を出た。そしてさっきまでの余裕が嘘の様に自販機でミネラルウォーター買って一気に飲み干した。


「はぁはぁよく我慢した俺。あんなん普通の男が耐えられる訳ねぇだろう。行く前に飯と飲みもん少なめに摂取してトレイ行ったのが完全に功を奏した」


姫の部屋に行く前に異様に変な予感がした開は対策をとった。今回はそれが見事に活かさせた。

一方姫の部屋では


「凄いですね先輩。まさか本当に耐えるなんて雫ちゃんの株爆上がりですね♪」

「まさかあなたが彼の男としての自制を試すとは思わなかった」

「あれ?分かっててなってくれたんじゃないんですか〜〜?」

「さぁ、どうかしら?」




七姫試練 二宮の試練合格

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