第18話 目覚める魔界の住人
「デタメトは、遊びが
暗黒教祖の独り言が耳に入って来た。俺の事も知っていたのか? あいつも俺達の居た世界からの転移者なのか? 他にも異世界転移して来た者が存在したのを知った俺は、驚いていた……。
俺が少し気が散っている瞬間に、暗黒教祖が何やら呪文のような言葉を唱えた。すると、暗黒教祖が五人に増えたのだ。分身魔法か。俺は、いきなりで驚いた。しまった。奴は、俺達を始末すると言っていたのに、俺は
「そりゃー! 死ねー!」
掛け声を出しながら、暗黒教祖の分身の四体がメイスを構え、俺達に襲い掛かって来た。俺とラピーチが二体を相手すると残り二体がリンと美姫を襲った。
「しまった! リン、美姫逃げろ!」
ラピーチの
「美姫、下がって! 私が相手するわ!」
リーエルがそう叫び、美姫のフォローに入り応戦している。だが、リンは、なすすべが無かった。教祖の分身のメイスが彼女の体を
メイスの攻撃を体にまともに
「リン! 大丈夫!?」
リーエルの言葉にリンの反応は無い。すぐにリーエルがリンの
「大丈夫よ。気絶しているだけだわ。怪我は無いみたいよ」
リーエルの言葉に俺は、
俺達がリンに気を取られている
「フフフ、あの魔導士は経験もありそうで、一番厄介だった。さてと、そろそろか――魔界の住人ヤミラスよ! 目覚め給え! 私とブラッククリスタルを血肉とし、私と一体化し給え!」
そう言い巨大な化け物の目の前に立ち、右手のブラッククリスタルを
「ヤミラス? 皆、やばい雰囲気だ! 注意するんだ!」
俺は、自分にも言い聞かす意味もあり皆に叫んだ。魔界の住人ヤミラスだって? よく分からないが、震える体が恐怖の存在だと感じ取っている。
ヤミラスの眼が完全に開き、暗黒教祖を見詰めている。
「ワギャギャーウォー!」
ヤミラスは、大きな
「う、うるせーな。耳がどうにか成りそうだぜ」
ラピーチが耳を押さえながら言う。その傍に寄っていた美姫が引き
何なんだこの光景は。一体化したのか? 時間がたったら、下から変化されて出て来るのかな? などと考えてる余裕は無いだろ俺!
ヤミラスが再び大きな咆哮を上げると、奴の座ってる場所が黒く変色しだした。すると神殿が大きく揺れ出す。壁がひび割れて崩れ出し、柱も倒れそうになっている。
「皆、外に逃げろ! 神殿が崩れるぞ! 急げ!」
ラピーチは、神殿からの
俺とラピーチは、リンを担いで小走りで、出口へ急いだ。
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