第29話 バスケ部 本入部!(続)
地獄のダッシュ…
学生でバスケをやっていたら逃れられない練習。
バスケは走るスポーツ。
だが、走るだけでは勝てないのだけど。
大まかに言うと走る、止まる、跳ぶ。
これを試合中はずっとこなさなければならない。
ダッシュと言う練習は走る、止まるを限界までやる練習である。
この練習のエグい…?辛いところは限界までやるって言うこと。
どんなに早くなっても常に全力。
ダッシュと言う名の練習は伊達じゃないんです。
はぁ!はぁ!はぁ!
めちゃくちゃキツい!
だが、心地良いキツさ。
そして、ダッシュの後はまたフットワーク。
ダッシュの後のフットワークは地味にきつい。
だが1つ1つ意味があるので手は抜かない。
バスケで嘘をつくのは僕が僕ではなくなる気がするので。
いつも全力。
バスケ以外のとこでは休む。
それで良いじゃないか。
次はまたフリースローか。
「一年生はこっちおいで〜」
声の主は前川先生だ。
「一年生はバスケ初めての人もいるし、シュートフォームから練習しよっか」
「え!?前川先生直々に始動してもらえるの?ずりぃ!先生、俺にも教えてくれよ!」
「はいはい。君たちはフリースローの後シューティングをしてからにしましょうかね」
「わかったよー」
「はい。では、どーやったらシュートがいっぱい入るようになると思いますか?」
ん?哲学?物理?統計学?
「はい!先生!」
「お?さすが萩原くん!わかるのかい?」
「全然わかりません!」
「ずこー!って、おい!元気良く返事して分からないんかい!よくそんな古典的なボケができたね。ドリフのコントじゃないんだから」
「すいません。考えても全然分からなかったから」
「ごめんね。なら、言い方を変えようか。どーいうボールが1番バスケットのリングを通過しやすいでしょうか?」
どーいうボールかぁ…色々考え方ってあるからなぁ。
「じゃあ岸くん。答えてみて。バスケに固定概念がない方が意外に分かるかな?」
「うーん…真上から落ちてくるボール?」
「うん!その考え方で良いよ。よく考えてるね。
そうだね、真上から角度をつけず落ちていくボールがリングにもあたらず通過できるよね。
でもね、ここでまた考えてほしいのがバスケットボールって言うスポーツはリングが上を向いてるくせにそのリングより低い位置からボールを放たなければならないんだよね。
なので、理論上は真上から落とすボールを打つと言うのは無理なんだ。
それで、じゃあ答えはなんなの?って聞きたいよね?
答えは入射角がちょうど45°の角度でゴールに向かっていく様に打つのが1番入るとされている。
所謂、綺麗な放物線って奴だね。
それで、そのシュートを打つためのフォームを今から教えていこうと言うわけなんだ。
と言っても、やっぱり人それぞれで打ちやすいとか入りやすいって感覚は違うから、要点を3つだけ言うね。
まずはなるべくで良いんだけど、打つときにボールを手のひらにつけない様に打つ。
あとは構えた時よりも打ったあとの肘の位置を上に上げて打つ。無理に固定はしなくて良いよ。
3つ目が打ったあとは手を残す様にするってことかな。
ちょっとやってみてよ」
「はい!」
えっと、打つ時は手のひらをつけない。要はボールの回転をかける為だね。
次に打つ前の構えより打ったあとの肘の位置を高くする。なるほど、アーチがかかりやすくする為だね。
で、最後がフォロースルーを残すのね。手を残すことで打ったシュートの確認ができるんだね。
「そうそう!岸くん、そんな感じで良いと思うよ。
あとは練習あるのみだね。
他の2人は…アドバイス無さそうだな。
よし、君たち新入生はこの後にやる5対5の確認とゲームにはまだ参加させられないけど、見学しながらボールを持ってハンドリングしててください」
「はい!」
なんだぁ…ゲームはできないのかぁ。
残念だ。
でも、仕方ないか。
チームは出来上がってきてるんだろうからね。
試合も近いって言ってたし。
僕たち新入生が邪魔しちゃいけないよね。
5対5の練習と言うのはオフェンスの遅攻になった時の攻め方の確認やボール運びなんかもやってるね。
うん!先輩たちは思っていたよりも上手い。
練習も真面目にやってるし、試合も勝てるんじゃないかな。
5対5も終わり、ゲームも終わる。
「よーし!ラスト、ゴリラ行くぞー!」
「えー!?まじか〜」
「はい!いいから位置につけ!」
ゴリラかぁ…練習の最後にこれがくるとは前川先生もえげつないなぁ。
通称ゴリラ。又はモンキーなんて言うとこもある。
簡単に言うと辛いフットワーク。
手を床につけながらサイドステップをするので見た目がゴリラとかモンキーみたいでそう呼ばれている。
ただ、見た目以上にキツい。
明日は筋肉痛確定かもなぁ…
岸くんと龍也は大丈夫かな?
岸くんは…死にそうだ。
龍也は、あいつなんでけろっとしてんだよ。
バケモンかよ。
「よーし!終了!ランニング〜!」
「はい!」
軽いランニングのあとはストレッチをする。
それにしても、あー楽しかったぁ!
「ちゃんと汗拭いてな!風邪ひくなよー」
「タツ〜帰ろ〜ぜー」
「おう!」
「岸くん、また明日ね!バイバイ!」
「う、うん…また、明日…」
うわっ!岸くんめっちゃグロッキーやん。
トボトボと歩いていく岸くんの後ろ姿を見て心配になる。
「岸くん大丈夫かな?」
「分からん。だが、慣れるしかないだろ」
「そうだけどね」
「それより、マモは前川先生と知り合いなのか?なんか、知ってるふうだったけど」
「うん!先週、葉月に誘われて夜にバスケしに行った時に前川先生も来たんだよ」
「なるほどな。じゃあ、前川先生はお前の正体はもう知ってるんだな?」
「正体ってなんだよ、それ。僕をなんだと思ってるんだよ」
「ん?決まってんだろ。バスケの変態さん」
「はぁ!?そこはバスケバカとかで良くない?変態ってなんだよ」
「ハッハッハッ!冗談だよ!じゃあ、また明日な!」
「おう!また明日ね!」
タツの後ろ姿を見つつ僕も家に帰る。
今日はクタクタだなぁ。
明日は僕も筋肉痛かなぁ…
中学生になったんだし、筋トレも本格的に始めようかなぁ。
今世ではジャンプ力も鍛えたいし。
やりたいことはまだまだあるなぁ。
さぁ、また明日も頑張ろう!
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