第28話 バスケ部 本入部!
朝からウキウキが止まらない。
何故かと言うと。
仮入部期間も過ぎ、今日から本入部!だからである!
仮入部最終日に聞いてバッシュも履いて良いとのこと。
教室で着替えて龍也と共に体育館に向かう。
新入生は僕を含めて3人。僕と龍也と…名前はわからない子。
仮入部の時は確か他に3人はいた気がする。
やっぱつまんないと思ったのかなぁ…まぁでもこうゆう団体スポーツは子供の頃からしてないと前世の僕みたいに中学高校はずっとベンチ要員だからね。小さいし下手だからって雑用ばっかりだったからなぁ…
世間はスポーツは上手くてなんぼ…なんだろうね。
僕の陰キャスキルが発動しつつ、居た堪れなくなり一緒に待っていた子に話しかけた。
「こ、こんにちわ、バ、バスケは好きですか?」
僕の隠れた才能の陰キャスキルにも対応してくれた。
「よくわからないけど。他に良さそうな部活がなくて…」
「そうなんだー。あっ!僕は萩原真守。こっちのが三浦龍也。君は?」
「僕?僕は岸勇気。もし、部活続けれたらよろしくね」
「うん!こっちこそ。よろしくね」
なんか、よくわからないけど同じ匂い、陰キャ同士挨拶を交わしていると体育館の中から
「1年生!こっち来て自己紹介よろしく」
と、聞こえてくる。
急いで中に入る。
中に入り、口に出して良いタイミングを測っていると「みぎの奴からさっさと名前を言え!」
と言われて
「俺は三浦龍也。身長は多分165くらい。ポジションはガード以外ならどこでもできます。水泳部と兼部することになりましたので夏は休むことが多くなるかもしれないです」
「わかった。次」
「僕は萩原真守です。身長は160くらいです。ポジションはセンター以外ならどこでもできます。バスケ以外はしたことがないのでバスケがやれる機会があればいつでもどこでもやります!」
「なんとなくわかった。次」
「僕は岸勇気と言います。身長は155くらいかな。全くのど素人なのでポジションとかよくわかりません。素人はいらないと言われればすぐ違う部活を探しますのですぐに言ってください」
「素人なのに入ってくれてありがとう!新入生のサポートは最大限するつもりだ。
だけど聴いてくれ!うちは今、試合が控えていて大事な時期なんだ。
すまないとは思っているが少し粗末に扱ってしまうこともあるかもしれないがそこは我慢して欲しい。
よろしく頼む。それじゃ、ランニング行くぞ〜!」
ランニングをしてからストレッチが始まり、スクエアパスに移行する。
仮入部の時とは違ってキビキビとした雰囲気がある。
「良いパスをして、ちゃんとキャッチをしろよ!落としたらやり直しだぞ!」
その言葉で緊張感も漂う。
僕の番の時、パスを出すのはあのデカいけど不器用そうな人。
落としたらやり直し。僕にも緊張が襲ってくる。
案の定、とんでもないパスがくる。が、ギリギリのとこでなんとかキャッチする。
「萩原、ナイスキャッチ!ポール!変なパスだすな!新入生がキャッチできなかったら、お前のパスが悪いせいだぞ!」
「す、すいません!」
「分かれば良い!次、ランシュー行くぞ!テキパキ動け!バスケは切り替えが大事だからな!」
「はい!」
練習はランシュー、ジャンプシュートと続く。
「次、フットワーク!サイドステップとクロスステップ5往復!新入生たちは分からないだろうから前の人を真似てやってみろ!」
フットワークかぁ。
フットワークはディフェンスの基本のサイドステップとクロスステップを身につけるための練習だね。
本当は他にも色々(腿上げ、片足ジャンプ、細かく前後に刻むステップ、前後左右にジャンプ、大股で歩く…etc)あるんだけど、ここの練習ではこれだけらしい。
「次はスリーメンだ!列作って並べ!行くぞ!」
スリーメンは昔、龍也と葉月で練習した気がする。
3線速攻。つまりは3人での速攻の練習。
バスケットボールで1番点を取れるのは速攻だからね。
スリーメンの練習をしてると体育館の入り口からひょこっと顔を出してきた人がいた。
その瞬間、「コンチワーッス!」と大声が飛び交う。
僕たち新入生も後に続く。
「コンチワーッス!」
「はいはい、こんにちわ。星野、いつも通りかい?」
「はい!先生。見ての通りスリーメンまでやりました!」
「よしよし!じゃあ続けて」
「はい!」
ん?あの顔どこかで…
あ!先日の夜のバスケでやった前川さんか!?
え?あの人、ここの先生だったの?知らなかった…
あ、だから帰り際に聞いてきたのか。
なるほどなぁ…
驚いて呆けた顔をしていると前川さ、前川先生と目が合いウインクをされた。
あ、先生は知ってたのね。
…まぁ、良いか。上手い人に教えてもらうのは歓迎だし。
ペコリと頭を下げ、声にはださないが軽く挨拶をする。
前川先生はニコッと笑うと「着替えて来るからスリーメン終わったらフリースローしてて」と言い残してその場を去って行った。
「よーし!先生来るまでフリースローやるぞー!」
「はい!」
フリースロー対決が行われて結構和気藹々としていたが先生が登場すると雰囲気が一変した。
「さぁ!ダッシュがやるぞー。みんなー用意しろー」
地獄のダッシュが始まる…
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