第24話  社会人バスケ1

ジャンケンで決まり、こちらから攻めが始まる。

ボールは僕が運ぶ。

相手チームのディフェンスは…こっちと同じ2-3のゾーンか。

社会人の人達は基本、普段からバスケが出来ないので体力的にゾーンディフェンスをやる傾向がある。

ほんとはゾーンディフェンスもちゃんとディフェンスをすればすごく疲れるんだけど場面場面で楽ができると言うか手を抜けると言うか。

無駄に動かなくていい時が存在するんだよね。

これは事実でマンツーマンみたいに端っこから端っこまで動かなくていいディフェンスなので相手がセオリー通りにプレイすると予測ができて楽ができる。

そして、ゾーンディフェンスの最大の特徴がリバウンドがとても強い所にある。

リバウンドが強いと言うことは速攻が出しやすいと言うことにもなり、その点に関しては用心しなくてはならない。

ここまで聞くとゾーンディフェンスめちゃくちゃ強いじゃん。

マンツーマンじゃなくてよくね?ってなるんだけど、実際はちゃんと弱点は存在する。

ゾーンディフェンス最大の弱点が数的不利を作られやすい。

この弱点はどのゾーンディフェンスでも必ず起こりうる事でそういう風に攻めるのが一般的である。

マンツーマンはボールの位置を把握しつつ人についていくディフェンスである。

つまり、よほどのことがない限り1対1なのである。

一方、ゾーンは人ではなく自分のエリアを意識しつつボールを中心に守るので片側に攻め手が集まってもディフェンスが全員寄れないのである。

つまり、極端な話をすると片側に5人寄ればそれだけで数的有利ができる。

まぁ、事はそんな単純ではないのだけど。

とまぁ、今の相手なのだが2-3なので基本は2の部分から攻めると数的有利が起こりやすい。

ガード陣でパスを回してフリーを作るも良し。

パス回しから、サイドのディフェンスが出てきたらゴール下が手薄になるのでそこで勝負するも良し。

ハイポにセンターを置けば、それを気にして余計に2の部分の人達が動きづらくなる。

ハイポのセンターにボールが入ったら、ターンで勝負も良いし、ガード陣のフリーの人に返してミドルシュートも有り。

まぁ、色々あるんだよ。攻め方は。


僕が出した答えは…

「パスを回していきましょう!」

ドリブルをついてない方の手で人差し指を掲げてクルクル回す素振りを見せる。

味方のことも把握できてないし、まずは様子見と言ったところ。

葉月にパスをだす。リターン。逆サイドに展開。

ディフェンスは崩れていない。

リターンのパスをもらう。

ディフェンスが僕についてこず、前が空いた形になる。

そこを見逃さず、中にカットイン。

ゴール下にそびえ立つ相手のセンターと対峙する形になる。

顔を上げて一瞬シュートフェイクをするが反応はない。

そのままドリブルで距離を詰める。

ゼロ距離に達し、ランニングシュートにいく。

相手のセンターは、はたき落としてやると言わんばかりに手を上げてシュートコースを消しにくる。

僕はそのままシュートは打たず、相手のセンターの背中越しに片手でパスをだす。

相手センターはボールを見失う。

味方のセンターも一瞬、面食らっていたがパスがちゃんと渡り冷静にシュートを決めてくれた。

「ナイスシュートです!」

「ナイスパス」

さぁ、気持ちを切り替えてディフェンスだ。

バスケは切り替えが重要なスポーツだからね。

こちらも2-3のゾーン。

少し前めに出る。

相手もトップからボールを運んで来る。

ボール運びは駿君だ。

トップでボールキープをしている駿君に少し圧をかける。

なるべく左にパスを出させないように、葉月のいる右にパスを出させるようにディフェンスをしていく。

僕の圧を嫌がり駿君は右にパスをだす。

だが、パスを回しても葉月が悠々とディフェンスにつく。

何もできずにパスを戻そうとトップにいる駿君を見る。

そこでさらに僕は駿君についていく。

僕の存在に気づいたボールマンはパスを出したくても出せず。

仕方ないので逆サイドに大きくパスをだす。

ここで逆サイドの味方ディフェンスにこのパスをカットしてもらいたかったのだが、間に合わずディフェンスにつくだけとなった。

そうなると今度はディフェンス側がピンチになる。

前に出過ぎたせいで中に大きなスペースができてしまっている為だ。

仕方ないので逆にトップにいる駿君に圧をかけてパスを出させないようにするしかない。

だが、中にパスが通ってしまい決められてしまう。

「ドンマイっス」

攻めで取り返そう。

エンドからパスをもらう。

相手は引いてゾーンディフェンスをしてるのでゆっくり攻めさせるように仕向けてるのでボール運びは、なる早で行い、45°に早めに落とす。

味方が攻めあぐねているので、リターンを要求する。

シュートクロックはまだ12、3秒はあるので一旦立て直す。

両サイドのローポにスタンばってるセンターにハイポに上がる事を要求する。

片方の人が気づき、すぐさまハイポに上がってくれた。そこにパスを入れる。

僕がトップからパスをもらいに走り込む。

しかし、もらえないのでそのまま逆サイドのコーナーで待つ。

セーフティは葉月に任せる。

センターの人がターンしてシュート体勢に入る。

それに合わせて、僕はエンドラインぎわからスルスルとゴールに近づく。

相手ディフェンスはシュート体勢のセンターにブロックしにいく。

その瞬間、僕には見ずに反対方向を向いた瞬間、パスがきた。

それをキャッチと同時にシュートフェイク。

一瞬ディフェンスが反応する。

それで充分。

そこから、ワンドリ、ツードリでゴールの裏を通り過ぎバックシュートでゴール決めた。


    




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