第21話  中学入学

それから時が経ち、小学校を卒業して中学校に入学した。

入学式当日は龍也と葉月の3人で登校した。

美男美女の2人とフツメンの僕。

2人は盛大に目立っていたのは言うまでもなく、周りに耳をすませば「あの子可愛くねぇ?」とか「え!?あの人ちょーかっこいいんだけどー」が飛び交っていた。

僕は居た堪れなくなり、少し離れて歩こうとしていたら「マモ!聞いてる?もっと近くに来ないと聞こえないでしょ!」と呼ばれてめちゃくちゃ恥ずかしくなった。

バスケやってる時は緊張なんかしないのにこうゆう時はめちゃくちゃドキドキするのはなんでなんだろうか。

ただ、呼ばれて無視はできないので小さく返事をして近くを歩いた。

周りは絶対、あいつなんなん?って思ってるに決まってる。

僕のメンタルが崩壊しそうになりかけた時、学校に到着した。

メンタルにダメージを負っていた僕は入学式の内容はほとんど覚えていない。

うる覚えで校長先生が話長かったなぁ、早く終われと願っていた気がする。


入学式を無事?終えて、何日か経ち、授業も始まり日常が平穏に過ぎていった頃。

次のイベントが始まる。

そう!クラブ活動の入部だ!

聞くところによるとクラブには必ず1つは入らなくてはならないらしい。

なので帰宅部がいないらしい。

僕はバスケ1択なんですけどね。

龍也もバスケをするつもりのようだが水泳部も惜しいらしく迷っているらしい。

龍也は小学生の頃、水泳の大会で好成績を残したらしく将来有望との事。

才能があるやつは羨ましいねぇ。

葉月は女バスを狙っているらしい。

小学生の頃は男子も女子も無かったので正直言ってキツかったらしい。

本人曰く「タツ君とマモが相手だと全然上手くいかないから、練習がほんとキツかったよ…その分、試合は楽しかったなぁ」とのこと。

うん、僕とタツが原因らしい。

今までの分まで楽しんでほしい。


クラブ活動を紹介する会から1週間は仮入部を行うらしい。

どこの部活に入るか吟味する期間だね。

まぁ、僕はバスケ1択だけど。

仮入部初日、体操服に着替えて龍也と体育館に足を運ぶ。

仮入部の時はまだバッシュは履けないらしく上履きなので走りづらいなぁ。

体育館に着くとすでに新入生らしき人が何人か待っている状態だった。

体操服の色で学年が分かるので体育館の入り口に着くとすぐにキャプテンらしき人に案内されて準備体操とアップを促された。

少しすると、さっきの人とは別の人が「ランニング〜!」と叫び、2列で体育館を走り始めた。

あとから分かったんだけどさっきの案内してくれた人は副キャプテンだったんだよね。

んで、叫んだ人がキャプテンね。

1分くらい軽く走り、ストレッチを開始したので僕も習ってストレッチを始める。

運動前は静的ストレッチはやり過ぎるとパフォーマンスが落ちてしまうのでそこそこにして、壁を使って動的ストレッチを丁寧に始める。

僕は幼稚園の時から運動前は動的ストレッチ10分以上はしていたのだが、まだ途中だと言うのに

「練習始めるぞ〜!スクエアパスっ!一年はそこで見てろ」

と言い、ボールを2個使ったスクエアパスを開始した。

見てろと言うのでストレッチをしながら見ることにする。

スクエアパスと言うのは簡単に言うと、コートの四隅に散らばり四角形を作りパスを回す練習方法である。

動き自体は簡単でボールがきたら走ってる人にパスをだす、パスをだしたら対角線上に走りだす。

対角線上に走ってる最中にボールをもらい、対角に待っている人にボールを渡して終わり。

そのままそこで待機して順番を待つ。

これを繰り返す。

この練習はパスの基本となる動きながらもらう、パスをだす方は相手の動きを予測して少し前にパスをだす、をきっちり身につけられる良い練習なんだよね。

やっていくうちにバスケの基本、パス&ランが身につくようになるしね。

この練習は前世でも普通にやっていた。

懐かしいなぁ。

と、懐かしんでいると「一年も入ってやってみろ!」と声がかかったので参加させてもらった。

龍也は見よう見まねでまだ動きが固い。

他の一年生たちも同様だ。

僕に順番がきて、そつなくこなす。

昔からやってるかのようなスムーズさ。

部員全員が一瞬「えっ!?」ってなっていた。

が、練習を止めるわけにはいかないので続行する。

まぁ、今世ではやっていなくても、前世では10年以上やっていたわけだし。

勝手に体が動いてしまうくらいには身についている。

「よ、よし!次、ランシューやるぞ!」

謎のザワザワした空気を払うように次の練習に移る。


ランニングシュート、通称ランシュー。

要はレイアップシュートのことですな。

某バスケ漫画で言うとこの庶民シュート。

僕が小学生時代に1番練習してきたシュートでございます。

小学生のリングが低くても感覚はあまり変わらないだろうと思い、ランニングシュートはずっとやってきたからね。

派生技のフローターシュートにスクープショットも。

この日の為?にやってきたんだ。

僕の番だ。いくぞ!!


あれ?

外しちった。てへ。

肩に力が入りすぎたwリングの高さを気にしすぎたかな?

バ、バッシュも履いて無いしなぁ…(言い訳)

次は決めてみせる。

よっと。ふー、決めれた。まだまだ練習しないとだねー。

「次、ジャンプシュートいくぞ〜!一年はここまでだ!また明日来てくれ!お疲れ様!」

え!?もー終わり?全然やれないじゃん…また明日かぁ…

仮入部だし仕方ないか。

早く、本入部したいなぁ。

帰って体幹トレーニングでもやって寝るかなぁ。

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