生まれ変わってひたすらバスケが上手くなるように生きてみた~何故か、前世の知識が残っていたので知識を武器にバスケで無双する~

第14話 練習試合4

試合が再開され、エンドから相手チームの山田君が桧山君にパスを出す。

もう、このクォーターは桧山君がボールを運ぶらしい。

桧山君は駿君相手に危なげなくボールを運んでいるのでこのチョイスは正しいとは思う。

山田君はまたすぐに前に走り出す。

僕はそれについていく。

桧山君が45度の味方にパスを出す。

そのまま桧山君が逆サイド、すなわち僕にスクリーンをかけにくる。

僕はスクリナーに当たる瞬間、バックターンを行い、くるりとスクリーンをかわす。

中でもらおうとした山田君が中でもらえないことを悟り、外に出てボールをもらう。

僕はそれに反応してチェックにいく。

龍也がついてるマークマンがローポストから中に入り、面を取る。

龍也もマークマンが20cmくらい違う相手なのでポストプレイをされるとなす術がない。

簡単にパスが通り、ターンをされる。

シュートをうちにいくと尊君がカバーに入る。

すかさず、ノーマークになった尊君のマークマンにパスを出され、ゴール下で入れられてしまう。

「どんまい！切り替えよう！」

すぐにエンドからリスタートする。

駿君にパスを出し、ボールを運んでもらう。

僕は早めに前に行き、龍也のマークマンにスクリーンをかける。

龍也が一瞬フリーになり、ボールを貰いにいくがパスが入らず反対側にキレていく。

僕のいるサイドは僕しかいない。

Vカットをして、駿君からボールを貰う。

広いスペース。

1対1のチャンス。

シュートフェイクから右にズバッと抜きにいく。

山田君は反応してついてくる。

レッグスルーをして今度は左に抜きにいく。

山田君も必死についてくる。

そこからバックロールターンをかまして、再度逆に抜きに行く。

ゴール下で尊君のマークマンがカバーしにきてダブルチームで止めに来る。

尊君のマークマンの脇から、腕を伸ばし、ひょいと手首だけで優しいパスを反対側のゴール下にいる尊君に送る。

マークマンはいるが後ろを向いているので実質的にノーマークの尊君がゴールを決める。

「ナイスシュート！」

「いやいや、今のはパスがいいでしょ！僕、ほとんど何もしてないし」

「ナイスシュート、ナイスパス」

相手エンドからボールが出る。

桧山君が駿君相手にドリブルを開始する。

山田君が前に走り出す。

僕は山田君についていくフリをして、桧山君にダブルチームを仕掛ける。

焦った桧山君がファンブルして体勢が崩れる。

体勢を立て直そうとする桧山君に、さらに僕と駿君はプレッシャーを与える。

よし！ボールに触れた！

ボールが転がり、ルーズボールになる。

駿君が必死にボールを追う。

ラインギリギリで追いついて、僕にパスを送る。

桧山君が必死に僕についてくる。

ゴール下でシュートフェイクを入れると桧山君が思い切り飛んだのを見て、１つドリブルをして、バックシュートを決めた。

「ナイスシュートです！」

段々と試合の感覚に慣れてきたな。

周りも視えてきた。

山田君は、もはやボールを出すこともせず、前に走り出す。

仕方ない、山田君をフリーにすることはできないので下がるしかない。

しかし、桧山君が山田君に大きくパスを出す。

やば！山田君に良いパスが通っちゃう。

ピンポイントでパスをもらえた山田君は前が空いているが落ち着いて周りを見て簡単には攻めない。

僕が山田君に追いつく。山田君が桧山君にボールを戻す。

「1本じっくり行こう！」

あっぶな！助かった！しかし、ゆっくり攻められるとそれはそれでキツい。

…点差は43対30。13点差か…。勝つにはこのクォーターで10点差以内にはもって行きたいんだよなぁ。

時間は…あと、3分か。

「ここ、1本止めよう！」

「うん」「おう」「はい」「止めるぞ」

うちのチームも渾身のディフェンスをしている。

相手チームも攻めあぐねている。

だが、陸君のマークマンへ裏にパスが通った。

尊君がカバーにいく。

ここだ！

僕は尊君のマークマンへと向かう。

尊君のカバーで空いたと思われた尊君のマークマンへとパスがくる。

取った！

「走れっ！！」

1つドリブルをついて前に大きくパスを送る。

当然の如く走っている龍也にパスが通る。

「ナイスパス、ナイスシュート！」

「龍也、どんどん走れ！」

勢いに任せて僕たちはプレッシャーをかける。

相手はさっきのプレイで落ち着くどころか、逆にかなり焦ってミスを連発した。

そして、シュートも落とす。

尊君がリバウンドを取って、駿君にボールを渡す。

相手の戻りが早いので速攻は無理。

駿君がゆっくりボールを運ぶ。

駿君からパスを要求し、貰う。

その瞬間、龍也が裏から走り込んでフリーになった。

ピンポイントでパスを出す。

龍也が空中でパスをキャッチし、シュートフェイクをする。

カバーに来た相手ディフェンダーが反応したところを1つドリブルをついてバックシュートを決める。

おいおい！そのシュート、さっき僕がやったやつじゃん！

もう、自分のものにしようとしてるし。

「龍也、また僕の真似したっしょ」

「うん。できそうだったから。でもまだ、フローターシュートとスクープショットはできないけどね」

ニコニコしながら言い放つ。

龍也、恐ろしい子。

そして、残り10秒の場面、駿君からボールをもらった僕が山田君と対峙する。

今日何回目になるか分からない1対1をする。

ふぅと息を吐き、相手を見据える。

左にフェイクをし、山田君が反応した瞬間、右にズバッと抜きにいった。

山田君は反対に振られて反応できず、一気に抜ける。

カバーが来るが時すでに遅し。

すでにスクープショットの体勢。

ボールは空中でゆっくりと弧を描き、ゴールに向かっていく。

ザシュっ！と音を立ててリングを通り抜ける。

ビーーーー！

ここで第3クォーターが終了する。

「ナイスゲームだったぞ！次のクォーターは、龍也！真守！湊！蓮！樹！の5人でいく！申し訳ないが次のクォーターは真守にボール運びをしてもらいたい。以上」

よかった！次も出れる！

それにしてもどうにか5点差まで追いついたね。

けど、次はたぶん最初に出てたメンバーがまた出てくると思うから、油断はできない。

てゆーか、久々（今世では初めての試合）の試合で少し疲れたな。

2分しかない休憩をしっかり休ませてもらおう。

そして、第4クォーターの幕が開ける。