第11話  練習試合1

どーも、僕です。

いや、今日は朝からソワソワしております。

なぜか…それは練習試合当日だからであります。

出れるか分からないけど、めちゃ出たい!

コーチの話だと、全員出してくれる的なことは言ってたけど。

まぁ、ミニバスの公式ルールに参加者は必ず全員試合に出なくてはならないとあったからそれに則って、やってくれるのかな。

ミニバスの公式ルールをざっと説明すると、試合時間は24分。

第1クォーターから第4クォーターまであり、1クォーター6分で合計24分になる。

前半を第1クォーターと第2クォーター、後半を第3クォーターと第4クォーターで分ける。

第1クォーターと第2クォーターの間と第3クォーターと第4クォーターの間に休憩をはさむ。

前半と後半の間で5分の休憩が与えられる。

延長になった場合は3分間与えられ、決着がつかない場合はさらに3分間の延長が与えられる。

そして、ミニバス特有のルールで、メンバーは10人以上が出ていなければならないと公式ルールブックに書いてあるんだけど、今は少子化でミニバスのチームによっては人数が少ないところとかも出てきたりしてるので、ルールが変わったらしい。

例えば、うちはこの前、龍也と僕が入ってちょうど10人なりました。

でも、入る前は8人しかいません。

その場合、10人はいないので8人で良いよ、全員出てれば大丈夫と言う公式ルールが変更になるんだと。

ちなみに最低でも1人当たり1クォーター分(6分以上)は試合に出なくてはいけないってルールもあるから、とにかくみんな平等に試合に出ようねって言うことかな。

あとは大体普通のバスケと同じかな。

まぁミニバスなんで、リングは低い(260㎝)し、ボールも小学生用(5号)なので同じとは言えんが。

ちなみに今日は日曜日で体育館を午後から使えるようにしたとか言ってたから、いっぱいバスケができるってことでしょ。

最高なんだけど。

しかも相手は強いときてる。

ここはチャンスかもしれない。

自分が今、と言うかこの体でどこまで何ができるかを知るにはちょうどいいような気がする。

ただ、相手は小学生。

いたずらに自信を失わせるようなことはできない。

相手の力量に合わせて、少し上を行く。

今日の課題はそれかな。

さぁ、午前中はいつものハンドリングから始めるか。


早めの昼飯を食べている時、コーチから連絡があって、ブレイブガンズ…相手のチーム名だけど…少し遅れるらしいとのこと。

でも、せっかく午後から体育館使えると言うことなので相手チームが来るまで練習しないか?と言うコーチからの質問に二つ返事で「行きます!」と答えたよ。

と言うわけなので、早速ボール二つ持って体育館にGO!


体育館に着き、僕が1番かな?と思いきや、もーすでにみんな集まっており、ランニングシュートや1対1など、フリーで練習していた。

体育館は試合ができるように椅子が並べてあり、机の上にはタイマーも設置されていた。


僕も早速バッシュに履き替えてツーボールドリブルの練習を始めることにした。

そこに駿君と龍也が来て、

「また、新しい練習始めたのか?僕にも教えろよ」と龍也。

「なるほど、この練習したらドリブルさらに上手くなるね」と駿君。

僕の横でガヤガヤやっているので、僕はボール二つでフロントチェンジをしながら、「あとで教えるから、集中させて!」と2人を軽く追っ払った。


一通り練習を終えたあと、龍也と駿君に動きを交えて説明した。

2人とも、教えたばっかの時はあたふたしていたが、すぐに要領を掴み、夏休みの始めからやってる僕より上手いんじゃね?と思うほど、ちゃんとできていた。

龍也はいつものことだけど、駿君もかなりのセンスを持っているなぁと少し嫉妬しつつも感心してしまった。

「あ、そうそう!龍也はまだ左手が右手より弱いから、左手を意識して使うようにするといいよ」

「ん?そうか、分かった」

「ぼ、僕は?」

「え?駿君?あー駿君はドリブル自体には問題ないけど、なるべくルックアップして意識しないでもボールを自在に操れるようになるといいかも。ポジションに関係なく、周り見るのはとても重要だからね」

「わ、分かった!」

駿君、年下なんだけど僕。アドバイスとか普通に聞いてるけど…まぁいいか。


そんなこんなで相手のチームが到着したとのこと。

バスから降りてくる相手チームはでかい。

身長がとにかくでかい。

小学生の3年生以下の子たちなんだよね?

140cmとか150cmくらい普通にありそうなのがけっこういる。

うちは1番大きくて湊君が確か141cmだった気がする。

この身長の差はでかい。

湊君は普段は自分の方が大きいので、自分より大きい人と当たるのはキツイと思う。

まぁでも、練習試合なので気楽にやってほしいな。


「よーし!準備ができたらアップを始めろー!」

「はい!」

相手チームはきびきびとアップを始めて強豪っぽい雰囲気が出てる。

試合開始も近い。


中川コーチが「よーし、集合!」と掛け声をかけ、みんなを集合させる。

「見て分かる通り、相手チームは強い。だが、だからと言って負けるとも思わない。君たちも強い!いつも通りやれば勝てると思っている。臆するな!いつも通りだ!スタートは大和(やまと)、蓮(れん)、湊(みなと)、樹(いつき)、大地(だいち)の5人で行く!他のやつもすぐ交代できるように準備しておけな!よし、行って来い!」

スタートの5人がセンターサークル付近に並ぶ。相手チームも対面に並ぶ。

「試合を始めます」

センターサークル付近に皆ポジションにつく。


ジャンプボールで試合が始まる。





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