第21話 ガルー

 ホークをドラゴン型モンスターが噛みつこうとしている。


 ホークはそれを避けられる余裕がない。覚悟を決めていた時だった。


 ドラゴン型モンスターは雄叫びを上げて倒れた。


 炎がドラゴン型モンスターを燃やした。


 ホークが見てみると、セルティスがラグナロクでドラゴン型モンスターを斬っていた。


「セルティス……」


 ホークはフッと笑う。


「また、助けられたな」


 セルティスはドラゴン型モンスターのほうを見ながらため息をついた。


「お互い様だ」


 セルティスは別のドラゴン型モンスターにラグナロクを振ろうとした時、セルティスは跪いた。


「セルティス!」


 ホークがすぐにセルティスのほうへ駆け寄る。セルティスはホークに大丈夫と合図を送って、立ち上がる。


「瞬時に急所を外したか」


 声がする。


 姿を現したのは、同じくドラゴン型モンスター。


 だが、先程倒したドラゴン型モンスターとは違った種類のモンスターだ。


 名をガルーという。


「誰だ?」


 ホークはガルーを睨みつけた。


「俺はガルー。俺の邪魔するやつは許さん」


 ガルーは口から炎を吐いて、ホークを狙う。


 アランがその様子に気づき、ホークの助けに入ろうと手裏剣を投げようとした。


 が、ドラゴン型モンスターの鋭い歯で肩を噛み砕かれた。


「!!」


 アランは床に手をついた。


「アラン!」


 セルティス、ホーク、レビーが同時に呼んだ。


 アランが負傷したことで、ホークは油断した。


 ガルーが炎を吐いて攻撃してくる。


「しまった!!」


 ホークは咄嗟に転がって炎を避けたつもりだったが、微かに腕に火傷を負う。


 レビーが拳を振り上げ、グローブが光るのと同時にガルーの胴体に叩きつけた。


 ガルーは床に叩きつけられたが、すぐに起き上がっていた。


 セルティスは周囲を見渡す。


 ガルー以外のドラゴン型モンスターもまだ数百匹いる。

 セルティスは息を吐いて目を閉じる。


(どうする? この量じゃひとりで仕留めるのは無理だ)

目を開ける。


「アラン、動けるか?」


 セルティスが聞く。


 アランは頷いた。


「当たり前だ! こんなんで負けてたら、強くなれねぇ!!」


 セルティスはフッと笑うと指示をした。


「アランとレビーは数百匹のモンスターを頼む」


 そして、一度、ホークを見る。


「ホーク、大丈夫か?」


 ホークは頷く。


「どうした…?」


 セルティスは一息ついてから言った。


「私、ひとりでは、この数百匹いるモンスターとガルーを仕留めることはできない。だから、力を貸してくれ」


 ホークはニッと笑う。


「嬉しいよ、頼ってくれてさ」


「ありがとう。アラン、レビーも頼む」


 セルティスはそう言うとラグナロクを構え、ガルーと向き合った。


アランは少し休んだことで、痛みも和らいできた。


 フーッと息を吐いて、手裏剣を投げる。


 その手裏剣は光のような速さでドラゴン型モンスターに突き刺さる。


 レビーは拳でドラゴン型モンスターを叩きのめす。


 グローブから出る光が強力なパンチを繰り出している。


 アランとレビーはお互いに協力して、ドラゴン型モンスターを倒していく。

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