第11話 怖い話
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……何故声が聞こえてくるのだろうか?一体だれの声だろうか?
本当に幽霊の囁きだろうか?それとも耳の病気だろうか?
お父さんは、どこに行ったのか?……
僕の頭の中は、目まぐるしく混乱していた。
……もしあの声が幽霊だったら、本当に許せない。父を狙うなんて!
一体、あのビルで何があったのかわからない。…
と、思い先生に聞いてみようと、考えていた。
僕はカーテンを開けて、先生を見た。
先生は、本を読んでいる。
「先生、ちょっとお聞きしたいのですが、大丈夫ですか?」
と、聞いた。
先生は、本から目を離し、僕の顔を見た。
「どうしたの?何か用なの?」
と、少し冷たい言い方に聞こえる。
「桜ヶ丘町にある、廃墟ビルですが、ご存じですか?」
「桜ヶ丘町の廃墟ビルって、あの有名な霊界スポットの事?
知っていると云うか、噂で聞いた事はるよ。あそこは怖い所って
友達から、聞いたよ。それがどうしたの?」
と、少し熱が入ったみたいに言った。
「どの様に怖いのですか?どんな噂があるのですか?
僕、こちらに来たばかりなので、知らないので教えて欲しいのですが、・・・・」
と、真剣な思いで言った。
先生は、椅子を滑らして僕のベッドの横に来た。
「それが、怖い話しなのよ😱・・・」
と、何だか嬉しそうに言う、そして、
「以前、あのビルはアパートだったみたいで、多くの人が住んでいたんだって。そこの住人の一人が、精神を患ってアパートの人達を殺して、自分も自殺したんだって。
それから、あのビルに人が住まなくなって廃墟ビルになったんだって。友達が言っていたわ。」
「そうなんですか。あのビルで殺人事件があったのですか?
それから、どうなったのですか?」
と、僕は興味を示した。
「それから、聞いた話によると、そのビルに殺された人の幽霊がいる、と 言われているんだって。
そしてもっと怖い事は、そのビルに入っていた人の中で、死人が出たらしいよ。友達が言っていたわ。知らんけど」
「・・・・・( ̄∀ ̄)。知らないんですか?
僕と雄一君この前そのビルに入って行ったんです。
そしたら、雄一君が亡くなったんです。
これって、幽霊の仕業ですか?」
「えっ🤯・・・・・」
と先生は驚きの声をあげる。
「君と友達がビルに入ったの?そして友達が亡くなった!
そんな馬鹿な!本当に亡くなったの?・・・・。」
と、先生の顔が興奮の余りか赤くなる。
先生をよく見ると、美人さんである。
年齢は30歳手前か?
少し細みの顔で、理知的で冷たそうな感じだが、あの驚き方を見ると、意外と感情を表に出す人かも知れない。
「雄一君が亡くなった時、僕の耳元で声が聞こえてきたのです。
『明日はお前だ』と、言う声が!」
と、僕は稲川淳二の様に語った。
先生の赤い顔が、一瞬に青ざめる。
「うそ〜。・・・・・そんなの嘘でしょ!」
「本当に聞こえたのです。空耳かも知れませんが、聞こえたのです。」
僕は、信じて貰いたくて、言葉に力を入れた。
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