二章新たな可能性と新たな友情
35話-二人ともなにしてるの? えっ、君は誰?
母さんとの話し合いが終わり、
この大図書館は、教会が認めた人間しか立ち入ることが許されない、神聖な図書館なんだ!
まあ、急に「オレサマも行ってやるガウ!」なんて言って、フェルが無理やり着いてきたけど……。
「問題、起こさないでよ!」
そう念を押したけど、効果はきっとないと思う。なにも起こりませんようにと祈りつつ、僕は軽い面談と入館に際しての注意事項を受けた。
入館ルールは至って普通。
・館内での飲食は禁止。
・館内で走ったり大声を出してはいけない。
・館内で読んだ本は正確に、元あった場所へ戻す。
・本を乱暴に扱わない。
など、当たり前のことしか書いていなかった。
入館すると直ぐに、
僕はまず、
このエリアは専用というだけあって、
僕はそんな大図書館に圧巻されながらも、興味のある本を片っ端から取り
どうやら
どうして? そう思うと同時に僕は、気になる本を探し答えを求める。だけど、僕の疑問は解決されない。諸説はあれど、
諸説の方は、
一、人間の生活圏にメテオリットが現れたことにより、
諸説二、とある爆発により、この世界に住む人間が三分の一以下になったことが原因で、一と同じ様に魂の補給を優先した。
諸説三、教会が
どれも確証を得ないものばかり。それに、どこかで聞き覚えがありそうな内容や、オカルティックなモノが大半を占めている。
まあ、その著者の想像が豊かで興味深かったから、読んじゃったんだけど。そんな感じで読書に没頭していると、僕の知らないところで問題児である小さな影が動き出したようだ──。
※※ ※ ※※ ※ ※※ ※ ※※ ※ ※※ ※ ※
「オマエ! どこに目をつけているガウ!」
「あ? おまえがぶつかってきたんだろ!」
ソイツは詫びるどころか、オレサマがぶつかってきただとか、イチャモンをつけ始めたガウ! ほんと、どんな教育を受けているガウ!?
そう、胃をムカムカさせながらもソイツの顔を確認し、ハッとしたガウ。
「オマエ!」
「おまえ!」
そう言葉を重ねる巨人──オレサマは、コイツのことを知っているガウ。
この前、オレサマを投げ飛ばした奴ガウ──。思い出しただけで腹が立ってきたガウ! ナニカ仕返ししないと気が済まないガウ!
「なぜ、おまえがここにいる? リーウィンはどうした?」
巨人は赤々と燃えるような目に、冷たい青色を灯しながら、蔑むように聞く。
だけど、オレサマが答える義理なんてないガウ! それに誰かに指図されるなんて真っ平ごめんガウ! そう感じ、
「オマエの方こそ、なぜいるガウ!」
語調を強め睨みつけてやったガウ!
だけど、コイツはアホガウ。オレサマの質問に答える気がないのか、
「俺の質問に答えろ」
なんて言って話にならんガウ!
「オレサマの質問に答えるのが先ガウ!」
「なぜ俺から答えなければいけない? 先に質問をしたのは俺だ。おまえが先に答えるべきだろ?」
「オレサマが答えたくないと言っているガウから、オマエから答えるのが筋ガウ!」
「は? おまえはバカか?」
「オマエこそアホガウ!」
そんな言い合いをしているガウと、モジャモジャ頭の目つきの悪いガキが急に現れ、
「ちょっと、静かにしてくんない?」
とか言って、断りもなく参戦してきたガウ! なんて無礼な奴ガウか!
「オマエ、誰ガウ?」
「だから声のトーン落としてってば」
モジャモジャは、囁くような小声でオレサマに命令してきたガウ! しかもいっちょ前に溜め息なんかつくし、オレサマを睨んできやがるガウ。こいつめちゃくちゃムカつくガウ! ナニサマガウか! そう不満をコネコネしていると、
「あんたも静かにしなよ? 大人のくせに静かにすることもできないわけ? それに
巨人にも同じことを言って、キッと睨んでいたガウ。ざまぁみろガウ!
「おまえ、喧嘩売ってんのか?」
巨人は、そんなモジャモジャの発言にイラッとしたのか知らないガウけど、急に胸ぐらを掴み始め、オレサマ直ぐに理解したガウ!
面白い
オレサマはそれを盛り上げるために取っておきをお見舞して、焚き付けてやったガウ! 感謝しろガウ!
※※ ※ ※※ ※ ※※ ※
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