まだまだご機嫌斜めな女王様な彼女と復讐に燃える僕
「……」
「……」
さて、あの酷く惨めな放置プレイを強制的にさせられた日の翌日。僕はまたも学校終わりの放課後に、一条さんから呼び出しを受けていた。そして今日の一条さんの機嫌はというと―――
「……はぁ」
……うーん、特に昨日と変わってないよ☆ まだまだ不機嫌な曇天模様の気分みたく、晴れ間は見えない。今日も僕の事、全く見ていないや☆ ……嘘だと言ってよ、バーニィ!
嘘でしょ……これじゃあ、今日もどんな事をさせられるのか、分かったもんじゃないよ。というか、そんな不機嫌な状態で僕を呼び出さないで欲しいんだけど……。
ちなみに今日は学校から離れて、近くの喫茶店に彼女と2人で来ていた。周りには知らない大人や僕らと同じく学校帰りの女子生徒がちらほらといる。
それと店の奥側の席にはくたびれた感じのヤクザっぽい金髪な人と、一条さんみたいな綺麗な金髪をしたお嬢様みたいな人がいて、妙に目立っていた。その隣の席では黒服を着た外国人がなんか詰めている。
……ダメだ、うん。あれは関わってはいけない人たちだ。そう判断した僕は奥で繰り広げられている光景をなるべく視界に入れない様にしつつ、一条さんに向けて恐る恐る尋ねた。
「あ、あのー……一条さん?」
「……何?」
僕が尋ねると、一条さんは一応は反応をしてくれた。無視されていた昨日とは大違い……だけど、それでも僕の方は見てくれなかったりする。
「そ、そのー……今日は一体、どのようなご用件なんでしょうか?」
「……」
「出来れば、その……昨日みたいな放置プレイはちょっと止めて貰いたいといいますか……」
「……別に、そんなつもりで今日は呼んだ訳じゃないわよ」
一条さんは僕からの意見に対して、不貞腐れた感じにそう返してきた。……まぁ、それなら良かった―――なんて、言うとでも思ったかこのメスガキがっ!
そもそもまず、昨日の仕打ちについて忘れた訳じゃないし、納得もしてないぞ!! 絶対に許すもんかっ!!
それに……それに、今日は一条さんからの呼び出しが無かったら僕は今頃、同じ学年でクラスは別の
せっかく彼女から野点? ってやつのお誘いがあったのに……一条さんめ、今回もまた同じ様な目に合わせようと思っているなら、こっちにも考えがあるぞ! そんな僕の考えなど知る由もない一条さんは、相変わらず不機嫌そうな顔で口を開いた。
「……で、どうするのよ」
「え? どうするって……何がでしょうか?」
「注文よ、注文ー。ポチは何にするつもり? アタシはもう決まってるんだけどー」
つまらなそうに一条さんはそう言った後、自身のサイドテールの先を指でくるくると弄りだした。あっ、これ……彼女がイライラしているサインの1つだ。や、ヤベーイ!
そんな感じに言われてしまった以上、僕は爆速で決めないとという使命感から慌てつつもメニューを手に取り、どれにしようか悩み始める。
「え、えーっと……えーっと……」
焦燥感に駆られる僕ではあるが、早々に決める事は中々に難しい。だって、僕のお財布事情的にあまり高い商品は頼めなかったりするんだけど……この店、なんだか価格設定がファミレスと比べてけっこう高い気がする。なんでコーヒー1杯で700円もするの? おかしくない? ドリンクバー2回分ぐらいの値段してるよ?
それによくよく周りを見渡してみれば……他にいる人たちのレベルはどこか庶民的じゃない上級な感じを思わせるし、店の内装もシックで高級感が漂っている。あれ? もしかして、ここ……僕みたいな庶民向けの店じゃない……?
う、うーん……ここは、その……長考せざるを得ないかなー……あはは……
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