第4話

「タイムスリップエージェント」

紗香が不思議そうな顔をした。

「ああ、大枚三万円払って契約した。

バンドごと原始時代まで連れて行ってくれるそうだ」

「やめた」

「どうして」

「アンタばか?どこの誰が三万円ぽっちで

大勢の人間たちを原始時代まで運んで

くれるっていうのよ」

「条件を付けた」

「どんな」

紗香はお冠のポーズだ。

「契約する代わりに紗香のバージンを

提供するという」

「テメェ」

紗香が真っ赤になってアキラに馬乗りになり

ポカスカ殴りだした。

「痛い、いたい、やめろ」

「冗談は顔だけにしろよ」

紗香が息を荒げた。

「ともかくバンドのメンバーは、オレがベースで

三鷹がドラム、不知火がギターで、吹滝もギター

ダブルギターの変則だな、そしてジャーンおまえが

輝かしきボーカルさまだ。どうだ嬉しいだろ?

嬉しくてションベンちびりそうだろ?」

「帰る。ションベンのフレーズが出たところで

アンタとは永久におさらばすることに決めた」

「紗香ターーん」

「鼻についた甘ったるい声を出すのはよさんかーーーーーーっ」(怒)

紗香がアキラの頬に思い切りビンタを食らわせた。

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