第6話施設外労働

武田と金田一が作業をしていると、管理者から呼び出された。

施設外で働かないか?と。

時間も少し長く働けて給料もいいし、送迎も付くと言う。

2人は直ぐにその話しに乗った。

翌日、武田と金田一はハイエースに乗り、施設外労働に向かった。

そこは、大きな倉庫であった。

慣れぬ仕事で武田らがもたついていると、そこの職員に怒鳴られた。

武田は機嫌を悪くし、金田一は恐縮した。

また、利用者もいかにも性格が悪いババァがいて、施設外労働は行かないと翌日の朝に管理者に言った。

そして、施設外の倉庫の話しが作業所に浸透して、皆んな声を掛けられたが、誰も行きたがらない。

かめちゃんなんか、施設の話しをされたら、行きたく無いと泣いてしまった。

武田は、かめちゃんに悪いことしたなと思ったが、彼女にはあの倉庫は絶対にムリだ。


この前、スーツで金髪の人が作業所で働き出した。

金谷和馬と言って年齢は50歳でうつ病の人だ。

喫煙者なので、直ぐに仲良くなった。金田一が金谷にどうやって髪を染めているのか?と尋ねたら自分で色を抜いたと説明した。

以前はB型施設で、農業をしていたらしい。

だから、工賃は2万円も無いらしかった。

そして、武田と金田一は金谷さんが酒好きだと言うことを知ったが、金谷は生活保護なので、お店でガバガバ飲めないと言った。

その日の帰りに、3人でコンビニのベンチで缶ビールを飲んだら。武田は金谷の分まで買ってあげた。

金谷は美味しそうに缶ビールを飲んだ。

明くる日、武田が出勤すると金谷の姿が無い。

そう、彼は施設外労働を始めたのだ。その日を堺に金谷の顔を見ることは無くなった。

また、新しい仲間を作るしかありませんね。と、金田一が武田に言った。

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真っ白な福祉作業所 羽弦トリス @September-0919

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