第5話食事の風景
また、新しい仲間が増えた。元木和弘と言う男で、アスペルガーだ。
そんなに慌てて作業しなくても良いのだが、障がいの特性なのかいつもの慌てて、DVDの箱の山をがっしゃんこする。
南雲さんは、優しくゆっくりでいいからね。と、教える。
元木は35歳。タバコは吸わない。酒も飲まない。
昼休み、皆んな食事を摂る。
会社の仕出し弁当を食べる者、カップラーメンを食べる者それぞれだ。
元木は、カップ焼きそばだ。
武田は、毎日アイスコーヒーのみ。
こんなに、食べないのに肥満症となり武田は太鼓腹である。
かめちゃんが武田の隣に座る。
22歳だが、44歳のオッサンの隣が良いとは変わりもんだ。
金田一は仕出し弁当を食べて、お茶を飲んでいる。
食事が終われば、金田一は武田を誘い喫煙所でタバコを吸う。
「今日もまた、面接あるみたいですよ。ほらっ、この前見学に来ていたオジサン」
と、ペットボトルのお茶を飲む。
「金田一君。どんな人だろうね?お酒が好きなら、今度誘いたいね」
武田は吸ったタバコを水の入ったバケツに投げ込んだ。
タバコはジュッと音を立てて、浮いている。
「来月の1日から、ウチラの本当の職場で仕事みたいですよ」
「まだ、俺と、金田一君、かめちゃん、半沢さん、元木君だけだが、仕事はあるのかねぇ?」
「どうせ、磨きですよ」
「まぁな」
チャイムが鳴る。
午後からの作業開始だ。それから暫くしてスーツ姿のオジサンが扉のインターホンを鳴らした。
スーツ姿だが、髪の毛は金髪だった。
武田と金田一は目を合わせて、ウンウンと頷いた。
『この人なら、酒は飲めるだろう』
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