第16話 初任務②

 都内の仮本部基地 AM3:54

 

「早朝にごめんなさい、あなた達の力が必要なのです」

 

「お気になさらず、僕としては時間問わず救うのがヒーローですから」

 

「あーしも貴音のおかげで少しは戦える様になったし大丈夫!ただ高校の出席日数が怖いかな......」

 

「気にするな未来、同じ人を愛した同士遠慮はいらない」

 

「ありがとうございます、では本題ですが先程レインボーブリッジを通勤時間に爆破する計画の情報を入手しました。」

 

「「「!?」」」

 あまりにも聞いたことないレベルのテロで衝撃を受ける一同。

 

「首謀者は中央朝鮮です、もう工作員が爆弾を仕掛け始めている、もしくは終わっている可能性があります。そして午前の7時に爆破するとの情報も日本のスパイが報告しています」

 

「あーしには荷が重いっすよ......貴音はどうしているんですか?」

 

「中央朝鮮の策略にハマりました......今アメリカのNYにいます......」

 

「ア、アメリカ!?どうしてまた?」

 

「中央朝鮮が自由の女神像を爆発させると言う情報を日本が手に入れ、アメリカに連絡したらメテオブレイカーを貸してくれ、貸してくれたら関税をかなり下げると言う条件を首相が受け入れて何時間も前に単身で飛び立ちました......」

 

「あ?フランス人の金で作ったアメリカのシンボルを日本人に守らせんのかよ、あーしでもやらねー」

 

「......」

 僕より物知りだな......

 

「そう言うことです、お願いします......バレて即爆発される可能性があるので軍も動かせないのです......私も同行した時に、また別のテロをされたら対処できないのです、それも策略かもしれませんが......」

 

「しかし、僕らは隠密向きでは無い気がします......それで折れるのもヒーローでは無いですが」

 

「あーしなんてモロ爆発音でバレるし......」

 

「アタシだけかな......メインはアタシで行動しましょう!」

 

「バックアップは僕に任せてもらいましょう」

 

「あーしは......バレたら派手に暴れてやるわ!」

 

「よろしくお願いします、私のガーディアンサテライツを私から独立させ1人1つ追尾させます。通信や簡易治療など色々出来ますので」

 

「分かりました!では行きます!」




 ――――――――――――

 

 レインボーブリッジ付近 AM5:29

 

「遊歩道の営業時間ではないのに開いていますね......身体強化の僕が先頭を行きます。」

 

「硬化完了」

「抜刀完了」

「チャージ完了」

 ヒーローっぽいと3人全員思うのであった。そして少し歩いた所に大きい四角い箱があった。

 

「これって......」

 

「どう見ても爆弾ね」

 

「あーしのチャージ鉄球爆弾何個分の威力だろ......」

 

「取り敢えずは僕の結晶で分厚く覆いますかね......」

 

 その瞬間後方から少し物音がする。

 

「!?アタシ達の後ろだ!」

 

 後ろからマチェーテを振りかぶってくる兵士。

 

「太刀筋が甘いわね、能力を使うまでも無い」

 

 そう言いながらマチェーテを剣で受け流し袈裟斬りをした。

 

「ふぅ......刃がエネルギーで出来ているとオフにすれば刃無しの模造刀みたいな物、だから切れないから突き刺さなければ殺さなくて済むわね」

 

「鎖骨が多分砕けたね......激痛に気絶してるよ......」

 

「呼吸できる様にして完全に拘束しよう」

 

 そう言いながらまた結晶で覆い自害もできない様にした。

 

「あーしの爆発と違って便利っすね〜」

 

「適材適所ですよ、僕の結晶を爆弾に変えられたらどうしようもないですからね」

 

 と雑談しながら走って兵士達を蹴散らし爆弾を固めて行った。

 

「これで終わりですかね?サテライツにも見てもらった限りは」

 

「そうですね、あとはあの目の前の奴で終わりね」

 

「おい!あーしらに早く降伏した方がいいぞ!」

 そんな響の発言を無視して突っ込んで来る。

 

「そう言えば外人だったわね!」

 と響が発言した瞬間に穴が開いて千劔破が落ちて行く。

 

「うわああああああ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!?!?」

 ボシャーンと音を立てて沈んでいった。

 

「は?」

 響は無力に親友を失ったトラウマがフラッシュバックしてしまい崩れ落ち嘔吐する。

 

「うっ゙おぇえぇえぇおぇっ」

 

「炸羅さん!冷静に......うお!上から!?」

 

 目の前に居たはずの兵士が上から降って来て超振動ブレードを手で受け止めた。

 

「マズい!普通の刃物じゃない!それにこの動きはポータルだ!穴を開け道を作るんだ、こいつは!炸羅さんしっかりしてください!これ以上被害を増やさない為に!」

 

「はっ!そうよ......大山さん!早くそいつを固めて縛り付けて!」

 ダメよ、落ち着いて私。大山さんまで失ってしまう。それに千劔破が確実に死んだとは限らない......。

 

「これでいいんですよね!」

 

 もがく兵士を固めた直後に新しいポータルが開く。

 

「うわああああ、今度は僕かぁあ結晶でえぇ!」

 大山は結晶で橋と自分を繋げた。橋の下の鉄骨から結晶を伸ばし、自分の身体からも結晶伸ばしてくっつけ完全に落ちる事は防げた。

 

「こちらは大丈夫だ!ポータルは連続で開けない様だから早く!」

 

「千劔破の仇ッ!!」

 そう言うと結晶に最大限まで力を込めて、所持していた鉄球を全てばら撒いた。

 

「吹き飛べ!!」

 爆発が起こり結晶は消え去り兵士も倒れたが徐々に立ちあがろうとしている。

 

「ダメだ......あーし力使いすぎた......」

 響が倒れてしまったそこに先程の兵士がジワジワと迫りブレードを振り下ろそうとする

 

「ダメだ!2人が見えない!結晶が間に合わない!!炸羅さん!!」

 

「咲......ごめん、私無能だ......千劔破もごめん......」

そう言いながら諦めていたら突然景色が変わった。

 

「なっ!もしかして!?」

 ブレードを刀で受け止め向こう側に立っていたのは千劔破だった。

 

「響は殺させはしないわよ!喰らいなさい」

 

 エネルギーをオンにして相手のブレードとアーマーなとを切断し、その流れでオフに切り替え頭を思い切り叩き伏せた。

 

「ごめんなさいね、不安にさせてしまって」

 

 「良かった......良かったよぉ〜!!」

 そう言いながら泣きながら抱きついた。

 

 「申し訳ない、今やっと上がって来ました......しかし、どうやったのですか?」

 

「落ちる時寸前に遠くに自転車があるのを見えたから位置を変えただけよ、ちょっと遠いから戻るのに時間がかかってしまったの」

 

「そうでしたか!それは良かった、それに更に良い事がありますね。この兵士はやはりリーダーでしたね」

 そう言いながら起爆装置を取った。

 

「じゃあ、もう警察と軍に連絡ね」

 

「あーしがしとく!」

 その後、爆弾処理班が解除し、工作員達は逮捕、連行され解決した。そして大ニュースとなり3人は表彰された。


 ――――――――――――――――――――――――


 これかぁ、これは本当にヤバかったなぁ。よく3人は成し遂げてくれたね......私の方も死ぬ程大変だったな......その代わりジャスティスアメリカとその仲間は日本の危機に駆けつけると言ってくれたけど......

 それと事後報告を受け、自転車は私が回収して弁償しようとしたら実質、日本国民を救った自転車だからと持ち主の方が喜んで、そのまま受け取り今展示されている。

 この後半日休んで、ミューテェイトの子供が手につけられないと児童養護施設に言われて、最後の2人をリクルートしたんだよなぁ......

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る