第13話 初任務①

 都内の仮本部基地 PM:3:01

 「召集に応じて頂きありがとうございます。街中でアナーキストユニオンではないテロリストが20人前後略奪を繰り返しています。この私、ダーリ......貴音の代理の九条が4名、吉田、頂、夏秋、蒼玉に出撃命令を下します」

 

「あ?あんた誰です?それにまだ組織は結成してないんでしょ?なら金貰えないっしょ?俺はやらないっすよ」

 

「何故、そんな適当な態度を取られるのですか?」

 

「吉田とやら、梶原と約束したのであろう?」

 

「九条は梶原貴音の恋人であり相棒よ」

 

「へぇ〜ニュースとかで出てたかなぁ?あんま見ねえから知らねえや、それより虫如きが説教垂れてんじゃあねぇよ!燃やすぞ?」

 

「貴様......」と仲間を侮辱されたことに怒るリックを遮る様に未来が怒り話す。

 

「言葉に気をつけなさい......!この姿を見ればわかるはずよ。私が何者なのか」

「変身......」

 九条はE4を纏い白緑の死神と呼ばれる姿に変身した。

 

「なっ......白緑の死神ッ!?」 (こいつは各地で能力者狩りをしていたとか何とかの奴......最近聞かないとは思ったけどメテオブレイカーの恋人になっているとは......んん?じゃあ同性愛者のキモい奴か?いや元々男だからノーカンかぁ?)

 

「何ぼーっとしているの?見た目は知っているのに私が貴音に撃破されたあとどうなったか知らないの?」

 

「だからニュースとか見ないんすよぉすみませぇん〜」 (クソっ勝てない、少しチラ見した記事の情報だけでもブルっていたのに、それが目の前にいると気分が悪くなる......)


「貴音が貴方を選んだ事を失望させないでください。時間がありませんので、この武器を受け取ったら出撃してください」

 

「いやいや、九条さんが出りゃあいいじゃんよぉ?見た感じ俺より若いし強いしよお?そもそもメテオブレイカーどこ行ってんだよ」(失望?くだらねぇ金が欲しいんだよ。)

 

「書類を見た限り私より貴方の方が3つ上の29歳ですね、若さと強さは関係ありません。それとここを離れると別の敵対勢力に攻撃された時何もできないのでいるのです。そして貴音は遠方にリクルート中です」

 

「年齢はともかく、分かりきったことをわざわざ説明してもらう必要が無いことは明白、頭が悪いのかしら?」

 

「黙れ蜂女!もう良い先に出撃する、金はしっかり貰うからな」

 そう言い捨て吉田は出て行った。

 

「......俺らも武器を取り、急ぐぞ」

 

「えぇ、そうしましょ」

 

「行きましょう」

 

「3人ともよろしくお願いします」

 吉田さんは貴音の報告以上に酷いわ、でも手元に置いておいた方が危なく無いわね......

 

(吉田桜史郎は組織結成の危険因子です、早急に対処をした方が良いでしょう未来)

 

 (そうね......ただ今は人が欲しいから取り敢えずは受け入れておくわ......)

 

 (あと貴音の事を外でダーリンと呼び間違える事が多すぎます、それも注意してください)

 

 (なっ!?......)



 ――――――――――――――――

 

 街中 PM3:59

 

「はぁ、給料貰えるから良いけど組織結成どころか組織もコードネームもも決まっていないのに仕事か......」

 

「それにしても虫の3人の私達に、燃える吉田さんを組ませるなんて何考えているのかしら」

 

「まあ今すぐ出れるのが私達だったんだから仕方ないのよ、それに武器をくれましたし」

 

「そうね、チームの方針で能力に頼り切ると、いつか窮地に陥るって言っていたわね」

 

「ああ、全員に閃光手榴弾とスモークグレネード、そして俺に渡したのは梶原の案で作られた特注のライフルだ、非殺傷から対物まで威力を変えれる。これはリオックの苦手な遠距離を補うためだろう」

 

「私は暗器用ナイフとエネルギーブレードのハルバード2つね、オフにすれば鈍器だから殺さないように出来るわ」

 

「私はゴム弾と普通の弾丸が撃てるSMGサブマシンガンってものね、どれも殺さないように出来る様にするなんてリカの言う通り優しい方ね」

 

「くだらねぇ、虫共もう接敵するぞ」

 

「チッ」とホープは舌打ちをし吉田に侮蔑の目で見た。そんな事は気が付かず吉田はテロリストに不意打ちで突っ込む。

 

「おらぁ!加速したパンチはどうよ!」

 

「うがあああ」「ごっ......」

 数人を殴り飛ばしたのを見て別のテロリストが発砲するが吉田は避けテロリスト2人を持ち上げ高いところから落とした

「うわああああ」「ぎゃあああ死んじまううう!??」

 

 「アーキアンは弱いなぁ!」

 

「やめろ、梶原に余裕があるなら殺さないように制圧しろと言われた筈だ、この高さでは死ぬぞ」

 そう言いながらリックはテロリストキャッチしてから顔面を殴って再起不能にした。

 

「知らねえよぉ!事故だよ事故!」

 

「......」

 吉田を睨みながら死なないレベルの麻痺毒を空から散布して一網打尽にしたホープ。

 

「もうあの人の事はいいから片付けましょ」

 と突進しながらハルバードで殴り飛ばしていく。

 

「何でミュータントが俺らの邪魔をするんだ!?その燃えている奴の命令か?」

 

「いいえ、メテオブレイカー貴音の為あの方の為よ、武器を捨て手を上げ降伏しなさい」

 

「クソっ野郎ども、ダメだ終わりだ!能力者4人には勝てねぇ、死刑は無ぇんだから諦めるぞ」

 そう言いながら数十人が集まり拘束された。

 

「ふぅ......警察は何しているのかしら?」

 

「警察の方も人員が足りないから俺達に頼んだのだろう」

 

「まあ誰も殺さず、重症レベルの怪我も無しに捕縛したし大成功よ、みんなお疲れ様」

 とリカが笑って労っていると吉田が話し始める。

 

「いいや、お楽しみはこれからだぞ!」

 

 そう言うと吉田は足を燃やしそこから地面を伝わせてテロリスト達の方に向かい、その場で全員炎上した。

 

「無能力者のアーキアンなんているかよ!」

 

「ぎゃああ燃える燃えるっ!!」「死んじまう〜」「消してくれ〜降伏だ!頼むっ!逮捕されるからぁ......」


「何をしているの!早く火を消しなさい!」

 

「これが困った事に燃え移った火は俺の管轄外なんですわ、それに犯罪者なんだ。何してもいいだろ」

 そう大笑いしている吉田の顔面にホープが殴りつけた。

 

「があっ!?メテオブレイカーは見てないからいいだろ!??」

 

あの方貴音の願いを無視し、私達の品性事落とすのはやめてくださる?リック!そこのマンションに給水タンクあるからお願い!」

 

「安心しろ、もうやった」

 巨体になったリックがマンションの給水タンクをもぎ取りテロリスト達に浴びせて鎮火させた。

 

「うう......」「......」

 

「マズいわ、この火傷......助からないかも」

 

「おい!虫!ふざけ......」と吉田が叫ぶ刹那に、白緑の死神が目の前に現れ思い切り吉田を衝撃波で吹っ飛ばした。

 

「ぐお゙お゙お゙お゙お゙ぉお......」

「貴音が戻ってきたから出れるようになったから、心配で様子見に来たら何しているのよ、貴方」

 完全に怒り心頭の声で吉田に問う。だが冷静は保ちガーディアンサテライツを使い火傷を治療していく。

 

「能力が暴走しちゃったんですよぉ〜すみません〜これはヒーロー活動で汚名返上しますから許してください〜」(クソが虫も燃やして証拠隠滅しようとしたのによお、仕方ない今追放されたら金が稼げねえ)

 

 「明らかに貴方はあの人達を燃やしたでしょ!!」

 

「そ、そう見えただけです、本当に申し訳なく思っています〜」

 

「......わかったわ、貴音なら貴方を許すわ。だから、一度だけチャンスをあげる。次はないと思いなさい。それと3人とはもう2度と組ませないわ。ただ恥を知りなさい」

 

「梶原はそうするだろうが、こいつは悪意だ悪意そのものだ。俺の本能がそう教える」

 

「だから無条件で許すつもりは無いわGPSで貴方の居場所は常に把握するわ。退職した時は外してあげるから安心なさい」

 

「分かりました......」(やはり甘っちょろいな、流石不殺を掲げるヒーロー(笑)達だな)


 ――――――――――――――――――

 

 ミッションコンプリート

 死者0名 負傷者23人、全員医療刑務所で入院。

 

 備考

 吉田は頂、夏秋、蒼玉とは絶対に組ませない事。

 吉田は能力が暴走する事がある、性格に難ありなので監視必須。


 やっぱり炎とは相性悪いよなぁ、3人だけで任せた方が良かったな。吉田は制御できるって言ったり暴走したり態度だったり危ないな......まあ初任務は終わって良かった、組織は正式結成前だけど......

 そして確かこの後に次に会ったのは通報を受け駆けつけたら、アナーキストユニオンのテロリスト達にほぼ1人で立ち向かっていたギャルだったな。ただ私のせいで......でも、あの子は善でいてくれて本当に助かったよ......

 

 

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