第7話 欺瞞
研究施設 ?:??
「携帯没収して目隠ししてまで連れてくるなんて余程バレてたくないのですね」
「国家機密の中でも最上位ですので、それに実際、各国にもこの様な施設があり私達のスパイが良くやってくれたおかげで開発に成功。それにバレるリスクの重さは成功者だからこそわかる......始めましょう、それではこちらに寝てください」
そう言いドアを開けられ入った場所は見たこともない機械ばかりの手術室の様な場所だった。
「私は戻らなければいけませんので、後は施術担当の研究員に任せます、では」
そう言いながら出ていくと入れ違いで研究員が入ってきた。
「貴女が九条未来さんですか、未来さんが
「くだらない、早く適合手術とやらを始めてくれません?」
貴音も同じ様なことを絶対に言うけど、こいつらだと腹が立つわね。
「まあまあ、そう急がないでください。安全性と開発経緯の説明が欲しいでしょう?」
「話してくれるなんて思いもしなかったわ、ならば聞かせてください」
「承知致しましたぁ、まずこれはAnti Mutant and Mutate Femto Technology Weapons《A.M.M.F.T.W》と言うものです。そして貴女に使うのはEvolution4略して《E4》です」
「進化......?貴音みたいな人たちの話?」
「ええ、一応そうですが人工ミューテェイトが出来るかは微妙になりまして科学力で
「......E4の4って何かしら?」
「シンプルに改良を重ねた回数が4回だからです。試作機E1はフェムトマシンどころかナノマシンもなく外骨格装備でした。ここからE2で路線変更し体内にナノマシン注入し、そらを制御による攻撃と防御を可能にしました。E3はアメリカとロシアのテクノロジーを盗み良い所取りし、安価な合金で出来て補助AIを組み込み量産化に成功しました。ここにいる兵隊も数は少ないですがそうです。E3の可能な事は戦車の砲撃に耐える耐久力、エネルギー弾や衝撃波による一帯の殲滅、形状変化でブレードを出したり手を増やしたり出来ますね、その他色々出来ますが多すぎるので置いておきましょう。そして本題の貴女に入れるE4は隕石の金属で出来ていて、一部の生物に進化を齎した宇宙生物の死骸の作りを真似しました。それによりE3よりも全ての能力向上が見込め新機能も可能と思われます。ご質問があれば答えれる範囲お答えします」
「ではら質問なのですが、まだあの宇宙からの生物や金属に名前がないのは何故ですか?」
「決めたいとは思っているのですが、表向きは世界で協力なので一国の独断ではまだ決められません、それにまだ1週間経つか経たないかなくらいので。下手すると数年決まらないなんて事もあり得ますね」
「そう......あとは、それ入れると見た目に影響はあるの?」
「正直に申しますと不明です、サンプルが少なすぎます。ただフェムトコアという物をインプラントします。それ自体も小さいので見た目には特に何もないとは思われます。」
「そんな不安要素しかない物を私にするつもりなの?確かに力は欲しいけど死刑確定モルモットじゃないですか?」
「いえ、E3とほぼ同じ理論なので死亡する確率は限りなく低いです。E2とE3の時は死者0名です。ただ手術に絶対はないので保証はできません」
「そうですか......」
正直、信用できる要素0よ......ただ貴音のそばにいたい、近日に迎える貴音の誕生日にプレゼントと告白しようと思っていたのに......遠くの存在になってほしくない、力があれば......
「......質問はありません、手術をお願いします」
「分かりました、最善を尽くしましょう」
――――――――
その後、約数時間程経ち九条は目を醒めた。
「ん......はっ!?」
起きた場所はこちら側にドアノブがない金属製のドアに、スピーカー付き監視カメラとトイレとベッドに小さい机だけの部屋。
自分の身体を見る限り何も変わっていない事に安心したが、髪の毛だけが銀髪になっている事に気がつく。
「手とか色々治っているけど何これ......ちょっと!どうせ聞こえているのでしょう?返事てくれません?」
そう言う間に脳内から声が聞こえる。
(現在時刻朝の6:57分、おはようございますそして初めまして、私は貴女専用独立型補助AIのA System Helperの
と中性的な機械音声が脳に響く。
「何?待って補助AIって喋るタイプのAIなの?それになんか英語変じゃない?」
(そうです、私は喋りますが貴女は喋る必要がありません脳を感知すれば済みます。それと英語の文句は開発にお願いします。そして私の事を口に出して発言する事は推奨されません)
「......」
(なんでなの?)
(本来は別の簡易的なAIだけが搭載される予定でしたが、本國議員の息がかかった研究員が私を追加しました。)
(本國?会った事もないテレビでしか見ない人物がなんで?それにA.S.H.を追加した理由は何?)
(いつ
(最初からただでは済まないとは思ったけどそこまでとは......許さない......あなたが入ったって事はハッキングからプロテクトしてくれるの?それと私の理由はなんなの?)
(申し訳ありませんが、最初のハッキングは受けてもらいます。下手にプロテクトすると失敗した時に私が介入している事に気付かれて摘出されたら元も子もないのです。なので私は独自に学習、進化し完全に乗っ取りした際には、枷のプログラムを削除、プロテクトできる様になった時にします)
(その間、私が人を殺したりしたらどうするの!あと私の理由は?)
(私が時々エラーが起きた様に介入するのでご安心ください。それと理由は......お聞きにならない方が良いかと思われます)
(わかったわ......本國が何故こんな事をしたかわからないけど、それは良いわ理由は何故聞かない方がいいのよ?私は
(その恩人は感知する限り通称メテオブレイカー、本名梶原貴音ですね。尚更、知らない方が良いです)
(考えている事が全部突き抜けで気持ち悪いわね、いいから話して本國が関与している理由も)
(......承知いたしました。本國議員が関与した理由は薬師寺総理の派閥の思想に反対している事、梶原貴音とはもう接触済みです。そして貴女が選ばれた理由は......)
(メテオブレイカーの殺害を相棒の貴女の
私は覚悟をしていた、
(バイタル不安定、心拍数119、激しい精神的苦痛を検知。未来、深呼吸を推奨します)
「うるさいっ!オエェッ゛......はぁは......ぁ......ふざけるなっ!ふざけるなア゛ァ゛!!!!殺してやるッッ!」
そう言いながら腕をフェムトマシンを使い出した白いブレードでドアを切り刻む。そしてブレードが半分に割れその間からレーザーを放つ。その光景をカメラから監視室で見ていた研究員が。
「マズい!何故かわからないが狂乱している上、教えてもいない事をし始めたぞ!計画は前倒しだ。制御しろ!」
「クソ......殺し......こ......」
涙をこぼしながら地面に崩れ落ちた、そして人の動きとは思えない挙動で強制再起動し起き上がる。
「E4準備完了」
制御後も死んだ目から止まらず流れ続ける涙、カカシの様に棒立ちし命令の待機モードに入る
(......今の私は人間で言うIQ90程度しかありませんが不愉快ですね。必ず貴女を
「ははっ!こりゃあ成功だ!だが涙腺に問題が出ている様に見られるから、それは書き残してと......他はよし、適当に反抗的なミューテェイトとミュータントを殺戮してデータ学習をさせるか。そしてメインディッシュだ、ただ怪力に浮遊程度ならデータを学習させなくてもいい気がするが総理の指示だから仕方ないな。よしE4暴れているかは関係ない、ミューテェイトとミュータントを数週間くらい殺し続けろ」
「了解、E4
その身に纏うアーマー姿はまるで平和と正義の象徴の白と緑の姿だった。本國派はバレぬ様に本國に報告した。
――――――――――――
6月24日 AM9:11
九条さんが行方不明になってから数週間、病院が転院先を教えてくれない上、警察は退職済で自宅ももぬけの殻。この自分が誕生日だってのにメッセージも反応しないし異常で事件性ありなのはわかりきっているのに警察は何もしてくれない。出会ってから最初に迎える、かじの誕生日は一緒に祝いたいと言ってくれたのに......九条さんが夜逃げの様な事はしない、絶対にだ。
それに能力者の世界共通ランク分けがされたらしい、
の5段階で決めるらしい。例外でこの枠に収められない事があるならまた作るとか言う適当っぷりだ。それとこの前のヌタウタナギ野郎は彗星級で牛野郎は衛星級か惑星級で決まらないらしい。それに自分はまさか恒星級らしい。これらを決めるのは世界の政府や民間人の評価で決まるらしく、別にただの指標だから相性次第では彗星が恒星を倒せる可能性は0じゃないらしい。そして自分が恒星に入れたかというと、鍛錬のおかげで筋力や速度向上はあるだろうが、どこまで高く飛べるかの実験の際に雷に打たれたが痺れはしたが無傷で逆にエネルギー弾みたいなのを放てれる様になり力が増幅した。それが恐らく決定打だと思う。これで九条さんをもっと助けやすくなるから嬉しいが、最近
あんな奴から九条さんを守るのは大変だなぁとか色々思っていたら。
「ねぇ!よそ見しながら避けるのムカつくんだけど!お姉さんメテオブレイカーなんでしょ?ならボーっとしていないで早く力を見せてよ!」
と言いながら物を触れず動かして投げ飛ばしてくる。目の前のこのショタガキとの交戦を忘れて心配のあまり考えてしまった。
「君いくつ?小学生だよね?」
「そうだよ、でも学校行ってないけどね!」
と言いながら手を振り翳し標識がもげて飛んできたり、車が飛んできた。飛来する物をエネルギー弾で吹き飛ばし民間人に危害がない様にする。
「何故こんな事をする?危ないでしょ?」
「僕を認めさせる......学校の子達にメテオブレイカーを倒したら受け入れてもらえるから!だから倒されて!」
そう言うと両手を上げ広げた。
「くらえ!僕だけの必殺技!
そう叫びながら私の身につけている物や周囲の物を浮かした。
「アホみたいな響きの技なのに、なんてパワーだッ!?これだけの数を浮かせてしまうな......」
言い終わる間も無く貴音と物体を一点集中で地面に叩きつけられた。
「うぐっ!......浮遊できて助かった......」
「嘘!?初めて本気でやったのに......空飛んでいたらあまり効かないなんて聞いてない!」
「これでわかったでしょ?私は不殺主義だし子供を傷つけるなんて論外だから早く止めて?」
「ふさつ?ろんがいって何?」
「私が思う不殺は不必要に生き物を殺さない様にする事かな、それと論外は話し合いする意味がないって事よ。」
「そうなんだー誰も倒さないなんて本当にヒーローだね!」
「ヒーロー......ありがとうね......それより君の名前は?」
ヒーローって言葉が自分に合うか疑問を持ち続けている、所詮は生き物を殺す覚悟の無い活動家にすぎない......負い目を感じ自分は話を逸らす。
「僕はポルターガイストって名乗っているよ!物が勝手に動く様に見えるからそう呼ばれたから!」
「そうなんだね、ピッタリでイカしているね!ちなみに本名は?」
「早井翼......」
「そうなんだ!本名もカッコいいね〜!」
「!?ありがとう!みゅーてぇいとになった後
と子供に思い出したくない事を思い出させてしまったので安心させる。
「辛い事思い出させちゃってごめんね......私は君の味方だから安心してね」
と優しく抱擁してあげたら強く抱き返してきた。暫くそのままで撫でていたら。
「ありがとう!お姉ちゃん優しいね!」
「ううん、気にしないでイジメの事や色々は今ちょうど来た警察の人達が対処してくれるからね!」
「いっぱいありがとう!」
そう言い手を振りながら連れて行かれる。1発も殴らなず済んでよかったなんて空からぶっ壊れた街を眺めながらいたら、よく見ると自分のでは無い影が近くにある。
振り向いた瞬間そこにいたのは。
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