第19話「許可」

「浅い!」ナウエルはそう一言放った。



ナウエルのこめかみから血が噴出し、赤い放物線を描いた。


それと同時に、センコンは大男の体を貫き決定的な一撃を与えた。



ピリャンの精霊「見事だ。」


ナウエルは頭部から血を滴らせながら、ピリャンの精霊に言った。


「このセンコン気に入ったよ」


やがて大男は靄の様に姿を消した。


と同時に、髑髏を模した金の指輪が地面に落ちた。


ピリャンの精霊「しかし、こんな小僧が・・我が試練を成し遂げるとはな・・」


ナウエル「これで文句ないですよね?」


ピリャンの精霊「申し分なし。

一つ尋ねる。

なぜ貴様を食おうとしたアリカントを救おうとしておる?」


ナウエル「助けたいと思っただけかな。

お腹が空いてただけで、

僕に恨みがあって襲ってきたわけじゃないだろうし。」



ナウエルの手の平に金の指輪が飛び込んできた。


ピリャンの精霊「これからは好きにミリャを持っていくが良い。

その指輪は我がそれを許可した証じゃ。」


手の平から前方に目を移すと、炎は消えていった。


ナウエル「ありがとう。」



-アリカントの巣-

ナウエル「さあ、食べて。」


アリカントは物凄い勢いで金を食べていった。



・・数日後


ナウエル「もうミリャがある場所も分かったね。」


そう言うと、ナウエルはアリカントの足に金の指輪をはめた。



ナウエル「これで良しと!」


アリカントは嬉しそうに鳴いてた。


ナウエル「じゃあ、僕はそろそろ帰るね。」



-現在-


ラウタロ「ミリャを食べる鳥か。」


ナウエル「あいつ元気かなぁ?


食べすぎてないといいけど・・」


ラウタロ「満腹になると、飛べなくなるって話だったな。」


ナウエル「伝説って言っても

可愛いいもんだろ。」



-コパカバナ-



チカ「なんじゃそれは。」


オトナ「ペドレニャルと呼ばれるもので、俗に銃と呼ばれている代物です。

この引き金を引くと、凄まじい殺傷力を生み出す兵器です。」

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