第18話「幻影の試練」
ピリャンの精霊「こやつらは幻影、ここに来た者達の姿を投影しておる。」
ナウエルは次々と襲いかかるインカ(タワティンスーユ)兵を、手にしたセンコンで難なく制圧していく。
ピリャンの精霊「ここで命を落とした者は30名。」
インカ(タワティンスーユ)兵に加え、矢が四方八方から飛んできた。
ナウエルはセンコンで矢をはたき落としながら進む。
さらに、左右の岩壁からは斧が手足を狙って切り掛かってきた。
ナウエル「よっ、おっと!」
ナウエルは全ての仕掛けを鮮やかに躱して進んでいった。
ピリャンの精霊「何たる身の軽さ。傷一つ負わぬとは・・」
ナウエル「良い運動になったよ。」
ナウエルは、さらに奥へ進んだ。
ナウエルの目線の先には、こちらを見ている何者かが鎮座していた。
ピリャンの精霊「これで最後だ。
ここを乗り越えた者は、今まで1名。」
ビリビリとした覆い被さる様な圧が迫ってくる。
ナウエル「これは・・今までの奴らとはまるで違う。」
ナウエルは気を引き締める様に、センコンを握り返した。
金色の斧が頭上に高く輝き、ナウエルの想定を超えるスピードで振り下ろされた。
ナウエルに躱わす暇はなく、攻撃をセンコンで受け止めるしかなかった。
ゴン!
ナウエル「父さん並みに重い一撃だ。
このセンコンでなければ・・」
大男は間髪入れずに攻撃を繰り出してきた。
しかし、一発目の攻撃で既に目が慣れたナウエルは、攻撃を受けずに躱わし始めた。
1歩、2歩、3歩人間技とも思えない動きで、大男との間合いを詰めいく。
お互いが無傷では済まない間合いまで、近づくとナウエルの動きが変化した。
彼は岩壁を利用しながらあらゆる方向から攻撃を仕掛けた。
大男は身を翻し、仰け反り、時折金の斧で攻撃を捌く。
ナウエル「体格の割に身のこなしが軽い。
けど・・エルネイと比べたら・・」
ピリャンの精霊「ほう。貴様は、これほどの者と対峙するのは、初めてではないな。」
大男の咆哮が轟き、洞窟の壁に無限に反響するかの様に響き渡る。
大男の連続攻撃は凄まじく、息をつく間もなく無尽蔵に繰り出されていく。
最後の一撃は、これまでの攻撃の中で最も鋭く、空気を裂く音が「ビュオッ!」と鳴り響いた。
ナウエルもそれに呼応するかの様に渾身の一撃を繰り出す。
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