第17話「ピリャンの精霊」

-ビジャリカ湖(別名:石灰岩湖)-


ナウエル「あの湖は・・

だとするとここはピランの住処じゃないかな。」


ナウエル「ちょっと待ってて。」


ナウエルは木の上から飛び降りた。



-ビジャリカ山(別名:ピリャンの住処)-


アラウコには恒常的な溶岩湖を持つ、世界でも希少な火山が存在する。

※現在まで、この火山で金が採れたという情報はない。


ナウエル「昔訓練で来た時は確かこの辺りで・・」



ナウエルは洞窟に入って行った。


ナウエル「おっ、やっぱりあった!」


道なりに進んだ先には金の塊が所狭しと敷き詰められていた。


ナウエルが金の塊を抱えて、その場を後にしようとした。


その時・・


「待て!」


と神々しい声が洞窟内に鳴り響いた。


ナウエルの目の前に炎の柱が揺らめていた。


炎はナウエルに語りかけてきた。



「我はピリャンの精霊

ミリャ達を持ち帰るのであれば試練を受けてもらうぞ。」


ボクワっ!


爆発音と共に地面が割れ、ナウエルは捕まる場所もなく、地の底へ落ちて行った。


スタッ!


ナウエルは身を回転させながら、バランスを取り戻し、鮮やかに地の底へ着地した。


先ほどの位置から火柱が見下ろす様にナウエルに語りかける。


ピリャンの精霊「この炎が尽きるまで、我の元へ辿り着いてみよ。」


ナウエル「さっきのとこに戻ればいいんだね。」


ピリャンの精霊「左様、では行け。」


道なりに進むと、暗闇の中で蝙蝠が蠢いていた。


ナウエル「暗くて歩きづらいなぁ。」


さらに歩き続けると、蝙蝠の羽ばたきに混じって何か物音がした。


「ん?何か音がした様な・・」


その瞬間、ナウエルの頭上から物凄い勢いで何かが落ちてきた。


ナウエル「おっと!」


間一髪でナウエルは何かを躱わした。


ナウエルは落ちてきた物を手に取った。


ナウエル「これはセン・・コン・・?」


ピリャンの精霊「ほう、それを持つ事が出来るか。」


ナウエルがセンコンを持ちながら奥に進んでいく。


ザッザッ、パキッ!


ナウエルは何かを踏みつけた様だった。


地面に目をやると無数の白骨化した亡骸の様な物があたり一面に広がっていた。



ピリャンの精霊「ここで命を落とした者は50名。」


すると大勢の人影が現れた。


ナウエル「えっ、タワンティンスーユ兵がなんでここに?」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る