第2話 実験体へジョブチェンジ

博士?と呼ばれる人を待っている間暇だったのでこの世界のことについて聞いてみることにした。

『あのーこの世界の紙幣ってどうなってるんですか。』


『ん、紙幣?基本デジタルでしょ』


何いってんだこいつみたいね目で見られても知らんわ!


『そういえばユウはこの世界の住人じゃない可能性があるんだっけ』


『はい』


『簡単に説明すると私達は生まれたてすぐに脳にチップを埋め込むのよ、そのチップに紙幣や個人番号その他様々な情報が入っているわ、だから国が違ったとしても会話が成り立つわ。』


『へー』

チップというのがどういうのかわからないが、やはりこの世界は相当進んでいると思う。


『そうなると紙の紙幣などは使われていない感じですか?』


『紙の紙幣なんてもう何百年も使われてないわよ、持っているだけでとても貴重じゃない。』


それを聞いて財布の中に紙の紙幣があることを思い出し価値があるか、聞いてみることにした。


『ちなみにここに紙の紙幣があるのですが価値はどれくらいありますか?』


『え、ほんとに?紙の紙幣なんてみたこと無いから興奮するわ、てどこの紙幣よ、でも精巧に作られているわね。でもごめん、この紙幣に価値はないわ。』


『え』


『え、じゃないわよ。紙幣なんてそこの国が価値を見出しているだけであって他の国じゃ使えないでしょ、それと一緒よ、そう思うと昔の人はよく紙の紙幣なんて使っていたわよね。』


うーん、時代が進んでるせいか、お金に関する考え方が違うようだ、そんな事を考えているとドアが空いた。


『マスター博士を連れてきました。』


『ありがとう、博士こいつが例の人間になります。』


『ほう~君が異世界から来たとか頭のおかしなことを言っている人間か』


そこにはとてもきれいな身長は170センチほどあり黒髪ショートで目つきはほんの少し鋭く白衣を着た女性がいた。

いきなり頭がおかしい扱いされたことに少しムッとしたが話が進まなくなりそうなので我慢する。


『いきなりでびっくりさせてしまったかな、私は音無鳴子オトナシナルコと言うんだ、よろしく。』


伊井優コレイユウと言います。』


『早速で悪いんだけど、君がここに来たときのことを教えてくれないかな。』


そんなことを言われたので説明することにした、しかし自分自身でもよくわかっていないのでありのまま起きたことを説明した。


『ふーむ実に興味深い話だね、ひとつ君に提案だが私の実験動物にならないかい?』


こいつも頭がおかしいのだろうか、いきなりそんなことを言われてYESと答えるわけがない、そんなことを思っていると顔に出てたのか博士がこんな事を言い始める。


『いきなりこんなことを言われても意味がわからないと思うから説明させてもらうと、君はこの世界に来たばかりだ、君はこの世界に住むあてやお金などはあるかい?』


『無いです』


『そうだろう、なら私が個人で君を雇おう、なおかつこの世界で生きるための家も準備しよう。その代わり君は私の実験動物になってほしい、約束しよう、決して危ないことはしない。』


たしかに悪い条件ではない、しかしどんな実験をされるかわからないため簡単には頭を下げるわけには行かない。この世界は脳をいじるくらいには物騒な世界なわけである。


『少し質問をしてもいいですか。』


『全然いいよ、君が不安に思っていること何でも聞いてくれ。』


『ならまず1つ実験とは何をする感じなんです?それがわからないと流石に少し怖いのですが。』


『実験と言ってもそんな怖いことではないよ、さっきの医療ポットに乗ってもらったり、少し血や髪の毛などの遺伝子情報がほしいのと、あとは私の仕事の補余を少ししてほしいかな』


聞く感じは大したことが無さそうなのでこの提案を受けることにした。帰る宛もないしお金もないからね。

け、決してきれいだからついていくわけでは無い、ほ、本当だ

とりあえずその提案を受けると返事をし契約書にサインをした。


『いや~サインを貰えてよかったよ、もしもらえないなら君をブタ箱に突き出さないといけなかったからね』


『え』


『そりゃそうだろ、いくら君がいきなりこの世界に来たと言っても不法入国には代わりはないからね、君を犯罪者扱いしたくはないけどこの提案を飲まなかったら脅さないといけないところだったよ。』


この女怖過ぎる、平気で人を騙すやん、そんな事を考えていると


『じゃあ今からいこうか』


『え、何処に行くんです?』


『いや、君の在留資格を取りに行くんだよ。君ちょっとして馬鹿だなー』


こいつをぶん殴ってやりたい、確かに在留資格を取らないと住めないがいきなり過ぎるだろ。

そんなことを思いながら準備をしていると横に球体型のロボットが来た


『そのロボットが今日から君のサポートをするから、困ったりしたらそのロボットに聞いてくれ、じゃ僕はもう行くから』


『え、一緒に来ない感じなんです?』


『ごめんね、一緒に行ってあげたいけどこう見えても実は僕とても忙しいんだよね、だから困ったらそこの機械AIに聞いてくれ、あ、呼びにくかったら名前は好きにつけてくれても構わないからじゃもう行くね。』


機械AIと警察の人をおいて本当にどっかに行きやがった。とても困ったの警察に聞くことにした。しかし

『あ、私ももう仕事終わったから帰るねー、あ、困ったらそのロボットに聞きなねー』

と言葉を残し本当に帰って行きやがった、あのあばずれの名前も知らないがもう二度と会うことはないと思うので忘れることにして、となりの機械AIに今後どうすればいいか聞いてみた。


『いきなりこんなことを聞くのは申し訳ないのだけどどうすればいい?』


『在留資格は博士がやってくれると思いますので、外に出てはいかがでしょうか?』

そんな事を言われふと気づいた事があった。僕まだまともにこの街歩いて歩いてないや。








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