No.34 虚無から振り絞る言葉

-1-A教室-


チェインとキィアスは遠くから観察。

クラスの皆は転入生に集まる。


「転入生くん、どこから来たの?」

「………。」

「シエンて名前な。よろしくな。」

「………。」

「今度いっしょに遊ぼうよねー。」

「………。」


「「「………。」」」


クラスの皆はギクシャクし焦りました。

チェインとキィアスもだ。

転入生を見ていると心配になりました。


「ねぇ、キィアス。」

「なんだチェイン。」

「転入生くん…涙いてるよ。」

「…え?」


転入生の顔は笑っている。


「…チェイン。」

「うん。私、行ってくる。」


チェインが近かずくと転入生の曇った目は…

微かに光りました。


「ねぇ。シエンくん、校内案内するから、いっしょに来てよっ」

「………………!」


今、微かに…シエンの瞳は。

キラキラ光る生気が宿った。

確かに生きてると感じたの。


何かがグツグツ煮込む様な。

激しさも感じながらもです。

チャイムは鳴り響いたのだ。


「………………うん。」


振り絞った言葉は。

チェインの心へと

とどきました。



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