No.35 道標

-学内案内中-


「………。」


「………。」


「………。」


沈黙が続きました。

チェイン、キィアス、シエン。

3人は校内渡廊下を歩いてる。

長い通路の様に感じるのは…

沈黙が重いからだろうか。


『チェイン、どうして転入生に優しくするんだ?』


チェインに寄り添い、密やかに声をがバレない様に。


「転入生とか関係ないよ、放っておけなかったんだもの。」




「……………ボクは。」


ポソッと学内初の声を出してくれた。

チェインとキィアスはビクリとした。

シエンくんはうつむき歩きながら…

言葉を続けた。


「ボクは………ボクは………。」


う、うん !

がんばれシエンくん !

固唾を飲み込みじっと見守る。


「チェインさんと一緒がいいな。」




「え。」

「なんだ、そんなことかよ。俺悪いな、先教室帰ってるよ。」

『だあーー ! なんだこの転入生はぁーー !』


表の声と内の声に落差がありつつも。

キィアスは… 1人その場から教室へ。

帰りました。

チェインは、そんなキィアスを見て…

『なんだか可愛そうだなぁキィアス…』


と、思いながら…

シエンくんを連れて、校内案内を続けるのでした。



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