父の異変、再び

 入所して1週間が過ぎ、徐々に施設に慣れてきた父は、リハビリも順調にこなしていた。

 そんなある日、少し歩き方がおかしいという話になったが、本人は痛みもないし大丈夫だと言うので、2〜3日様子をみることになったらしい。

 その矢先、夕食後に右腕が胸元まで曲がったまま、元に戻らなくなった。

 意識もあって、話もできる。痛みもないと言うが、やはり病院に連れて行かなければと、施設の人が私の携帯に連絡をしてくれた。


 が、私は残業中で着信に気づかず、第2の緊急連絡先である姪に連絡を入れてくれていた。

 幸い姪と連絡がつき、入所前に入院していた病院に向かってくれた。


 残業を終え、会社を出てから携帯を見ると、施設からの着信と、姪からのラインの嵐。

 私は、面会の時の様子を見て安心して、以前のように、頻繁には携帯チェックをしていなかった。しまった、油断した……後悔先に立たず。


 何事かと心臓バクバクでラインを見ると、父の症状と、救急で運ばれた経緯や、姪が付き添ってくれていることが書かれていた。


 すぐに姪に電話をして様子を聞くと、施設長が父に同行してくれていて、命に別状はないが、ひとまず入院することになったとのこと。


 今から来ても、父はもう病室に行ったから会えないし、これから入院手続きをすると言う。とりあえず、そちらに向かうからと伝えて姪と合流し、詳しい状況を聞いた。


 検査や診察以外にも、入院するまで色々面倒なやり取りがあったようで、かなり時間がかかっていた。姪にはとても申し訳ないことをしたが、話を聞けば聞くほど、本当に頼もしく、ありがたかった。


 平穏な時はあっという間に過ぎ、また波乱の日々が始まった。

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