謎のまま

 入院した翌日、父の右腕は動くようになった。処置といっても点滴をしてもらったぐらい。


 入院時、いろいろ検査をしてくれたらしいが、特に異常はなく、加齢による筋力低下と思われるとのこと。

 肘が曲がったままになり、自分の意志に反してビクッと動いたりしていたらしいが、麻痺や硬直ではなく、拘縮こうしゅくというらしい。


 結局原因もはっきりせず、もしかしたら、施設でまたリハビリを張り切り過ぎたのでは?などと想像するしかなかった。


 特に悪いところもなく、むしろ施設で筋力低下を防ぐようにリハビリを続ける方が良いのだから、早々に退院できるはずだった。

 が、救急搬送された時の担当医師が、たまたま役職のついている先生で、同じ法人の別の病院と兼務していて、週の半分しかいないこともあり、少し日にちがかかったが、ともかく退院許可がおりて、元の施設に戻ることになった。

 退院日も決まり、大したことがなくて良かったと思っていたら、突然病院から連絡が……


 思いもよらない出来事で、さらなる波乱の日々が始まった。

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