気力回復!
年が明けて、病院の面会条件も緩和され、予約をすれば、20分だけ直接面会できることになった。
病室ではなく、談話室で待っていると父を車椅子に乗せて連れてきてくれるのだ。
父は体調が良くなってきたのか、リハビリも順調で、平行棒のようなものを掴んで歩いたり、リハビリ用の歩行器を使って少しずつ歩けるようになってきた。
そうなると俄然、「わしはできる」という謎の自信が復活してきた。
シルバーカーがあれば、家でも歩けると言い出し、さらには週に何日か来てくれる泊まりの家政婦さんを探してくれと言い出した。
自宅はバリアフリーでもなければ、資産家でもない。姪と2人、呆れて笑ってしまった。
気力が戻ったのはいいが、自分の現実は分かっていない。とても家に帰れる状態ではないので、私たちはずっと老健施設を探していた。
運良く、デイケアに行っていた同じグループの施設に受け入れてもらえることになり、あとは退院許可を待つばかり。
が、その前に、また自宅でひとりで暮らせると思い込んでいる自信満々の父を説得するという大仕事があるのだが。
相変わらず、時々空想の世界に行ってしまう父だったが、面会できるようになって、話したり筆談したり、顔を合わせて説明できたことは大きかった。
自宅に帰る前に、施設でちゃんとリハビリをしてもらってから帰ろうねと話すと納得してくれた。
こうして父は、無事に老健施設に入所した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます