入院狂騒曲

 父は昔、心臓と泌尿器の病気を患い、投薬と定期検査のため受診を続けていたが、今回の突然の変化は、尿路感染症によるものだった。


 父は大部屋が嫌いで、今回も個室に入院した。

 夜中に何度もトイレに行き、かつての病気の関係もあるのか、トイレに時間がかかる。

 それもあって、部屋にトイレがある個室がいいのだ。


 個室なのをいいことに、携帯は使いたい放題。あれを持って来い、これを買って来いと、一体、入院中に何をするのか?と思うようなものまで届けろという。


 母の時はコロナ禍真っ只中で、全く面会はできなかったが、今回は病棟の入口にあるガラス扉越しの面会。会話は携帯で。

 緩和されたとはいえ、まだまだ制約がある。

 しかも父は難聴で、携帯では声が聞こえないと苛立つ。

 見かねた看護師さんが、父の耳元で通訳してくれるが、こちらは父の大声がガラス扉越しに聞こえるという、何とも不便な状況。

 先が思いやられる。

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