終わりなき旅

「部屋に荷物が少ないというか、置かないのって、旅をしてるからなんですね」


 馬車に揺られて、可能な限り、移動する。僕らエルフには時間がある。言ってみれば終わりなき旅、いろんな場所を巡った。

 困っている人がいれば話を聞いて、お金やその土地の名産を貰った。主に茶葉。あんたとの生活でだいぶ減った。


「どういった場所へ行くんですか?」

「夜空が綺麗に見えるところ」


 そこには長年、魔法の研究をしている女エルフがいて、あんたを元の世界に帰せるかもしれない。

 どうしたいか、聞くべきか。そうは思っても口から出てこなかった。



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