第19話 魔と懐 side颯翔
『バンッ』
突如として銃声が響いた。最初はただの風船の破裂音だと勘違いした。
でも、俺の左手に生暖かい感触を感じた。そこで我に返りその感覚がする方向を急いで向いた。
俺は絶句した。だが、それでも声をかけざるを得なかった。
「せん・・ぱい。」
俺が声を出し絶句していることに気づいたのかみんな先輩の方を向き驚いた。
「いやああぁぁあぁぁあぁぁぁぁあぁぁあぁ。」
花鷹さんが悲鳴を上げる。
後輩たちはすぐ対処に移り、救急車を呼ぶ。
だが、俺は何もできなかった。
今ある現状を受け入れ、落ち着かせることに集中したいのに。
「颯翔っ!!」
「っ!」
ああ、うた、う
「楓那…。俺は、俺はまた。あぁ…。」
「颯翔。大丈夫よ。莉花先輩は元気に戻ってくる!」
楓那は俺の手を握り落ち着かせるよう促す。
だけど…。
俺は…。
守るって約束したのに。俺は…。
「うああああああぁぁぁぁぁぁあぁぁ」
絶望の雨が俺たちを突き刺した。
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