第6話 会議「キャンプ△」②

な、な…なんでこんなところに先輩がああ!?おかしいでしょ!と、とにかくこの状況を泡沫に見られたら…。

『うーわ、ないわー。流石変態野郎!すけべ!むっつり!』とか言われる…。

は、早く先輩を起こさなくては。

「先輩!起きてください!あなたは酔っ払ったOLさんのようにお持ち帰りされてましたー、みたいなことするんですか?」

「にゃはは…んんー…。」

ダメだ、起きる気配がない。とにかくこの場から離れないと。

俺は狭い空間で体勢を整え、体育座りから立ち上がる。そして、そのままベッドから降りて床に着地……。のはずだったのに。

「ぎゃはっん!ぬへぇ…」

変な声と共に俺は掛け布団に足が絡まり倒れ込む。なんかよく分からないけど、顔に柔らかいものが当たってる気がする…。

「ん、んー?なーに?」

なんかやばい気がする。先輩が起き…。

「おーい、莉花先輩〜。とりあえず色々買ってきたよ。って………。」

あ…。

「ふーん。ごゆっくり〜私は邪魔だったようね〜。」

「ちょいちょいちょい待てーー!!」

誤解されてる気がするぞこれ!

「いやもうこの景色はアウトだよ。何をしてるのかわからないけど、寝てる女性に…。」

「違うから!普通にベッドから抜け出そうとしたら滑って転んだんだよ!」

「つまり、ハプニングと見せかけて、事後を誤魔化そうと?」

「だーから!違うんだってば、信じてくれよ!」

もう収集がつかないほどに俺たちは言い合っている。いつもこれだから俺たちは近所迷惑だのなんだの言われるんだよ。

「まーた喧嘩してんのキミたちは…。いい加減静かにし、、、し、し、…。」

あ、やばい。先輩が起きてる…。

「へ、あのこれは、一体?あぁ…。」

「せ、先輩。違うんですよ、誤解しないでください!」

「へと…あの…。」

やばい先輩の顔がみるみるりんごのように赤くなり、呂律が回っていない。てか、泡沫もなんか言ってくれよ。わずかな頼みとして泡沫に目線では合図する。

すると嫌な顔をしながら頷く。これならばきっと誤解は解けるはずなのだ。

「莉花先輩、このバカは寝ている先輩を押し倒すような形で自分の要求を済ませようと…」

「違う違う違う!!お前変なこと言うな!!」

これじゃ先輩は…。

「あ、あの…。さ、せめてそういうのは仲良くなって、関係性が変わって…それで…お互いが起きてる時の方が…。」

ほら、見たことか。誤解がうまれてるじゃんか!

「終わった…。」

「い、いやぁあああああああ。」

先輩の声が部屋中に響き渡るのと同時に僕はブツブツ喋ったせいか、誰も聞き取れなかったようだ。

こんなんで会議になるのだろうか……。

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