第5話 会議「キャンプ△」①
「さて、君たちに残ってもらったんだが、何をするか理解はしているな?」
「はい、キャンプ場と費用、その他諸々ですよね?」
俺は先輩の質問にすぐ答えた。泡沫が同意を示すように頷いた。しかし先輩はというと…。
「ふむ、確かにキミたちはそう言うだろうと思ったさ。だが、それがメインではない!」
な、なんだと…。違うと言うのなら先輩は一体何を。
「メインはな、後輩たちの恋愛事情を作り出す作戦さ!!(ドヤ)」
「「…………は?」」
待て待て待て…。先輩は今何を言ったんだ?ん?
「ちょっと、佐城。今のは流石にジョークよね?もしマジで言ってたら私…。」
やめろバカ。絶対にその先の言葉を発したら全て終わるぞ。確かにジョークだと信じたいがその先輩はと言うと…。
「はー!!後輩の人数を見ると男女共に2人ずつ!!これは、これはまさに平等の恋愛!」
ダメだあれは…。そう、先輩はカッコいい反面、恋愛に対しては乙女チックな人なのだ。
こうなった先輩には誰も止められない。
「とにかく、俺たちだけで後で決めよう。先輩には反省してもらうようにしよう。」
「そ、そうね。あの状態は手に負えない。」
俺たちは互いに頷き、先輩に軽く手刀を食らわせる。
「グハァッ!?」
変な声をあげて先輩は倒れ込む。そして俺は先輩を抱えて教室を出る。
向かう場所は…。
「なぁ、どこで話し合うんだ?」
「ん?それはもちろん佐城の家でしょ?」
………はぁぁぁ!?何言ってんだこいつは…。
「いやいやいや、無理ですって!それだったら泡沫様の方がちょうど良いかとー」
「は、はぁ?わ、私の家に来てなんのつもりなのよ?この変態!!」
「んなことしねーわ!てか誰が変態だ!!」
こうなった俺らはもう止まらない。誰かに仲裁してもらわない限り。
「うるさいなーキミたちは!少しは静かに出来ないのか?」
間に入るように俺に背負われている先輩が入ってきた。先輩に驚きつつも俺らは間を作る。
「大体そんなことなら私の家に来るといいさ。その方が安全だろ?」
な、先輩の家…。
「せ、先輩ダメです。この男変なこと考えてる顔してます!」
「は、はぁ?んなことしてないって言ってんだろ!お、お前こそ何を想像してr…んんー。」
「い、今なんて言っt…んー。」
言葉を発そうとしたが、突然手で塞がれた。
先輩に口を塞がれて俺らは何も出来ずにいる。
「キミたち…いい加減にしなさい!!」
ポカポカと頭を叩かれる。痛い…。てか、何回叩かれるんだこれ。
「ご、ごめんなさーい。」
泡沫のやつ、先輩に叩かれて涙目になってる。おもしれーな。
「あ、痛!?」
「はーやーとーくーん?(ニコニコ)」
「ひ、ひぃ…」
これ、終わった…いやだー…。
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目が覚めると、天井が真上に見える状態だった。目線ずらすと…何か近くに…!?
「な、なんで先輩が俺の隣で寝てんの!??」
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