Episode4:ニアスポット
ダークゾーンは、全てを溶かす闇だ。
痛みや恐怖を抱かせないからこそ、それに注意して生きるのは大変な事だ。
その闇の中を、コメンタに乗った学者が、アンドンの星灯りに照らされながら進んでいる。-Ruuuuu…と、コメンタが唄のような鳴き声を上げた。どうやらお腹を空かせたようなので、学者はどこか休める場所を探す。
近くに灯るのは、薄明りの
そこには先客がいた。
先客は、一人の少年だった。
朽ち始めた廃墟の上に、うずくまるように座っていた。
★
-ねぇきみ。どうしたんだい?
-…。
-申し訳ないけど、横で少し休ませてもらうよ。この子にご飯をあげたいんでね。
-…・。
-ああ、その子かい?名前はアンドンっていうんだ。この子と同じでおとなしいから安心していいよ。
-Ruuuuuuu…
-どこに行くんですか?
-ちょっとスターシティにね。
-この中を?行けるんですか?
-この子たちがいるからね。
-Ruuuuu。
-でもその前に、腹ごしらえが必要だ。
-腹ごしらえ?
-この子たちは済んだから。僕の方がね。きみもどうだい?夜になってからずっとここにいたんだろ?
-…はい。
-近くにいいとこがあるんだ。一緒に行かないかい?
-…。
-このままここで消えるのはしょうがない。そう思ってたんだろ?
-…
-でも、もうそれはできない。僕らが来てしまったからね。
-…。
-星のせいにしてはいけないよ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます